馬がこれほど賢い動物だったとは 人間の心を読み利用する知恵者

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   犬や猫とともにずっと人間の伴侶を務めてきた馬。「馬耳東風」「馬の耳に念仏」などと「お馬鹿さん」の代名詞にされてきたが、実は犬に勝るとも劣らない賢い動物であることが最新研究で明らかになった。

   人の感情を読み取り、利用する知恵にたけているという。神戸大学と英サセックス大学の研究を紹介しよう。

  • 馬の賢さが凄すぎる
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人間をエサの隠し場所に巧みに誘導する

   馬が自分にできないことを人間にさせる知恵があることを明らかにしたのが神戸大学の研究だ。国際動物学誌「Animal Cognition」(電子版)の2016年11月24日号に発表した。神戸大学の12月9日付発表資料によると、研究では、馬には届かず人間には届く場所にエサを隠す方法で、馬がエサを食べるためにどうやって人間に助けを求めるかを検証した。実験は、同大学馬術部の放牧場で、馬術部の馬8頭とその飼育担当者である学生の協力を得て行なった。

   実験1では、まず馬が届かない場所に2つのバケツを置き、そのうちの1つにエサ(ニンジン)を隠した。その後、この状況を知らない飼育担当者が来た時、飼育担当者に対し馬がどんな行動を起こすかを観察した。その結果、馬は担当者の近くに留まり、飼育担当者を「見つめる」、鼻づらで「触る」「押す」といった行動をとり、エサのあるバケツに誘導した。この行動は、エサを隠さずに実験を行なった場合よりも多かった。

   この結果から、馬は自分では解決できない課題に直面すると、人間にシグナルを送って助けを求めることが明らかになった。

   この結果をふまえ、さらに高度な実験2を行なった。飼育担当者が見ている時と見ていない時の両方でエサを隠した。そして、飼育担当者の知識状態(エサの存在を知っているか否か)に応じ、馬の行動がどう変わるか観察した。その結果、飼育担当者が見ていた場合より、見ていなかった場合に、より多くシグナルを送ることがわかった。それぞれの飼育担当者がエサの隠し場所を知っているどうかまで記憶し、相手に応じて行動を変える「知恵」を持っている。

   研究チームのリングホーファー萌奈美・学術研究員は、発表資料の中で「2つの実験を通し、馬の人間に対するコミュニケーション方法が明らかになりました。さらに、個々の人間の知識状態に応じ行動を柔軟に変える、高い社会的認知能力を持っている可能性があります」とコメントしている。

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