女性向けファッション誌「CanCam」(小学館)の最新刊が、なぜか虫マニア・昆虫愛好家にウケている。
一般的に、同誌の世界観や内容と馴染まない層に見えるが、その理由は一体......。愛好家たちの熱い視線の先にあったのは、付録の自撮り用ライトだった。ツイッターでは今、ライトを使って昆虫を「かわいく」撮る動きが過熱している。
「カメラ雑誌だとこの値段では作れない」
注目を浴びているのは、16年12月23日(首都圏など)発売の同誌(17年2月号)だ。見どころは、SNSに投稿する写真の撮り方を指南する特集「かわいい写真が撮りたい」。
スマートフォンカメラの使い方から画像加工の「イロハ」まで解説内容は多岐にわたる。そんな特集の特別付録が、ハート型の「自分史上最強自撮りライト」。スマートフォンを挟んで使えば、「セルフィーが史上最強にかわいく撮れる」という。
サイズは、タテ・ヨコおよそ8センチとかなり大きめ。別売りの単4電池2本を挿入すると、真っ白な光が明るく灯る。
同誌によると、このライトを使って自撮りをすると、綺麗なセルフィーに仕上がるのだとか。目の中にハート型の「アイキャッチ」を入れたり、暗がりで顔をくっきり写したりできるのだという。
SNSに日々セルフィーを投稿する女性には「刺さり」そうなこのライト。しかし、真っ先に飛びついたのは、なんと昆虫愛好家だった。
ツイッターには、ライトを使って撮影したクワガタムシやカブトムシ、蛾、バッタの写真が相次いで投稿されている。毛虫やバッタの複眼にハートのアイキャッチを入れてみたり、カブトムシのボディに光沢感を持たせたりと、遊び心あふれる写真も多い。皆、
「複眼がハートになってる」
「カブトムシを盛る事もできる」
「カメラ雑誌だとこの値段では作れない」
と大興奮の様子だ。さらに、
「人生初cancamを買った」
「ひとりで買う勇気が無いので、かみさんについてきてもらった」
といった微笑ましいツイートもみられた。
編集部「考えもつかない使い方をして頂いて...」
ライトはなぜ、昆虫愛好家の心を捉えたのか。理由としてツイッターに挙げられているのが、圧倒的な光の量、頑丈なつくりだ。そうした特性を生かし、デジタルカメラに取り付けて本格的な撮影に臨む「強者」も現れている。
今回の件、CanCam編集部はどう考えているのか。J-CASTニュースの取材に応じた担当者は12月28日、
「こうした反応は、ツイッターなどを見て把握していました。まったく予想していなかったので、非常に驚いています。編集部が考えもつかない使い方をして頂いて、嬉しく思っています」
と答えた。
ライトの「こだわり」を聞くと、
「やっぱり発色ですね。肌をどれだけ綺麗に見せられるか考えて作りました。あと、持つだけでもかわいく見えるように、ハート型のデザインにしています」
と教えてくれた。
使い方はどうあれ、色々な人に「自分史上最強」のライトとして受け止められたのは間違いなさそうだ。「かわいい昆虫写真が撮りたい」という特集も「アリ」なのかも......