2016年12月28日、北海道では「醤油も凍る寒さ」になるでしょう――。日本気象協会が運営する天気予報専門サイト「tenki.jp」に登場した、こんなユニークな言い回しが注目を集めている。
北海道旭川市で最低気温マイナス18.8度を記録するなど、広い地域で今冬一番の冷え込みとなった28日朝。そんな厳しい寒さを「より身近なもの」として伝えるため、気象予報士が目を付けたのが、どんな家庭にもある「醤油」だった。
北海道ではよく使われる言い回し
「醤油も凍る寒さ」というフレーズが注目を集めることになったのは、NHKのローカルラジオ番組にも出演している気象予報士の吉田友海さんの予報記事がきっかけだ。
吉田さんは12月14日、「tenki.jp」に寄稿した『今季最強の冬将軍襲来 大雪や極寒』という記事の中で、
「(北海道)内陸部の山沿いでは氷点下25度以下と醤油が凍るほどの冷え込みになる所もあるかもしれません」
とこのフレーズを披露。また、27日に寄稿した記事でも、北海道の冷え込みについて「醤油が凍ったり」という表現を用いていた。
こうした耳慣れないフレーズは、インターネット上で「初めて聞いた」「なぜ醤油なのか」などと思わぬ注目を集めることになった。ツイッターやネット掲示板には、
「醤油が凍るほどの寒さというのは聞いたことがない。でも言いたいことはよく伝わってくる」
「一般人は醤油が何度で凍るかしらない」
「意味わかんないわりに恐ろしさだけ伝わってくるんだけど」
といった投稿が数多く寄せられている。
実際のところ、「醤油も凍る寒さ」という言い回しは、北海道など寒さが厳しい地域では一般的なものなのだろうか。日本気象協会予報サービス課の猪股竜彦さんは、
「北海道の気象解説者の間では、『強烈に寒い』ことを伝えるために、昔からよく使われていた言い回しです。水以外の成分が多く含まれていて凍りづらい醤油を用いることで、より生活に密着して共感を得やすい表現として使われてきました」
と28日のJ-CASTニュースの取材に話す。ただ、最近は「最低気温が昔ほど下がらなくなっていることから、近年は使う機会が減っているかもしれません」とも付け加えていた。