「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)の最終回が放送された2016年12月26日夜、ツイッターのトレンドワードは一時、番組関連のワードで埋め尽くされた。
その中に、1つ、毛色の違うワードがあった。――「追悼番組」。事情を知らない人からは「誰かなくなったのかと思った」との声も上がったが、ほかでもない、スマスマ最終回に向けられた言葉だった。
メンバーの生出演はなし
最終回は約5時間にわたるワイド特番で、これまでの名シーンの数々を振り返る内容だった。途中、視聴者から当日募ったファクスの紹介が何度かあったものの、本人たちの生出演シーンは、事前報道どおり一切なし。番組終了や解散について語るVTRもなく、主役不在のまま進行していった。
生前の活躍を過去映像で回顧したり、ファンのメッセージとともに故人を偲んだりするのは、追悼番組によくある「型」だ。スマスマ最終回は、そうした意味で追悼番組とあまり変わらない、と受けた止めた人は少なくなかったようだ。なかでもラストシーンで、その「追悼感」がより強く出ている、と思った人が続出した。
番組終盤、CM明けの画面に映し出されたのは、
「スマスマ20年、そしてグループ活動28年、みなさまの気持ちに、深く感謝いたします。ありがとうございました」
というSMAPからのメッセージ。白地に黒い文字で浮き上がり、ゆっくりと消えていった。その後、オルゴール音とともに、これまでを振り返る写真や映像が流れ、12月1日に収録した「世界に一つだけの花」の歌唱映像につながった。
5人は黒のタキシードに蝶ネクタイ姿で登場。白いステージには5色の花を敷きつめて作った「SMAP×SMAP」の大きなロゴが飾られ、歌唱中には、色とりどりの花が後ろ一面に広がる演出がなされた。5人は歌い終わると深々と頭を下げ、白い幕が下りるまで礼を続けた。
一面に広がる花、オルゴール、黒いスーツ...
感動的なシーンとも言えそうだが、一連の流れは、少なからぬファンの不評を買った。オルゴールや花の演出は「葬儀場」を想起させたらしく、ツイッター上には、
「なんでオルゴールなんだよ。葬式の演出かよ」
「SMAPを生花で囲み、葬式に流すかのようなオルゴールで過去の映像。生前葬みたいだったと思うのは私だけかな?」
「黒いスーツ、咲き誇る無数の花、無言の深いお辞儀......まるで追悼番組のような終わり方」
といった声がいくつもあがり、トレンドには「追悼番組」が入ってしまった。
ちなみに、ファクスの紹介など進行役を務めたのは、1月18日の「生謝罪」時にファンからのメッセージを読み上げていた西山喜久恵アナウンサー。そんな西山アナのMCに対しても
「きくちゃんが追悼番組醸し出してる」
「きくちゃんのしゃべり方が葬式みたい」
といった声が少なくなかった。