東京都の小池百合子知事が2016年12月25日の報道番組「新報道2001」(フジテレビ)で、都立広尾病院の青山への移転問題について「これからどうするかは白紙」だと述べた。
移転計画は舛添要一前知事の在任時に本格化し、16年度予算案では土地の購入費用まで盛り込まれたが、経緯が不透明だとしてほどなく問題化。「第2の築地市場」問題だとも指摘されていた。
予算案では土地購入代金370億円計上
広尾病院の現在の建物は1980年に完成し、現在の位置で改築すべきか移転すべきかの議論が続いていた。15年度になって同年に閉館した青山の「こどもの城」跡地を購入して23年度をめどに移転する計画が浮上し、16年度予算案では土地購入費用370億円が計上された。この予算案は3月25日に大きな反対意見が出ることもなく可決されたが、計画を知らされていなかった病院関係者も多かったようで、小池知事当選後の8月31日に医療専門家を集めて行われた
「第1回首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会」
では、
「ちょっといま一度立ち止まって考えてほしい」
「経緯については、やはりもう少しはっきりさせてほしい」
などと移転計画の不透明さを批判する声が相次ぎ、紛糾していた。