「男の見栄」はオトコ同士にしか通じない
実験1では、賞品は「安物」だし、応援する人々もわずか12人だった。それでも、男性は応援者で燃え上がり、女性は萎縮するという逆の結果が出た。研究チームのケビン・ニフン博士は、論文の中で「男性は競い合う場があると、仲間より男らしく力強いことを証明したがり、つい食べ過ぎてしまうのです。一方、女性にはそんな競争心はありません」と語っている。
次の実験2では、早食い競争に参加した男女学生の「魅力度」と、早食いの「成績」との関係を調べた。93人の学生(男性59人・女性34人)に「審判役」になってもらい、早食い競争に参加したA、Bの学生たちの「魅力度」を評価させた。魅力度は「知的」「セクシー」「健康的」「力強い」「ロマンチック」の5項目で、「まったくない」から「非常に多くある」まで6段階で評価した。
すると、ここでも次のようにはっきりと男女差が出た。
(1)A、Bグループともにずば抜けて多く食べた男子学生は、「力強くてセクシー」という高い評価を、男性審判員から受けた。
(2)しかし、女性審判員からは特に高い評価を受けなかった。女性審判員は早食いの成績に関係なく、男性学生の「魅力」を評価した。
(3)A、Bグループとも参加した女子学生は、早食いの成績に関係なく、「魅力」を評価された。その評価は男性・女性審判員に特に差はなかった。