「小腹空いた」は5分で紛れる
主婦の田中舘奈津子さん(38)も、なかなかやせられないという悩みを抱えている。
田中舘さん「今息子が絶賛反抗期中で、本当にイライラするんです。『行ってらっしゃい』と学校に送り出したら、即(お菓子を)ボリボリみたいな...」
そんな田中舘さん宅の冷蔵庫も、「太る冷蔵庫」の典型だった。
(1)太りやすい食材が目につきやすい場所にある。
人は冷蔵庫の中央に目が行きがちだが、そこには4個入りのプリン2パックが。冷蔵庫を開けるたび食欲が刺激され、間食が我慢できなくなってしまう。
さらに右利きの人が見がちな右側の扉に、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシングと、太りやすい調味料が入っていた。これらをつい多めに使ってしまう原因になる。
(2)乳製品が多い。
決められた数だけ食べる分には健康にいいが、摂りすぎると「脂肪のかたまり」を体に入れているのと同じだ。
(3)冷凍庫がいっぱいで何が入っているのかわからない。
(4)野菜室がスカスカで、葉物野菜は全く入っていない。
村山さんは、まず「冷蔵庫の中身を全部出す」よう指示した。自分の買い物の傾向や栄養の偏りがわかり、「普段こんなに食べているのか」と驚く効果もある。
次に、「自分の体に入れたいものだけ」という基準で、食べるものと食べないものに分ける。賞味期限が切れた食材や、取ってあるが不要な食材もわかる。
田中舘さんの冷蔵庫の中身は、約半分が体に入れたくない食材という結果になった。
食べる食材は冷蔵庫に戻すが、中央には大豆製品や海藻類、お菓子のかわりになるゆで卵やさつまいもなど、太りにくい食材を入れた。
太りやすい酒、肉、乳製品は目立ちにくい場所へ。右側の扉には太りにくい調味料やお茶、左側に太りやすい調味料、お菓子、乳製品を入れた。お菓子やスイーツは家にある分を把握して食べる量を制限するため、1か所にまとめておき、他の場所に置かないようにするとよい。
冷凍庫は何がどこに入っているかわかるよう、食材ごとに日付を書き、立てて収納する。野菜室には野菜以外を入れず、常にいっぱいにしておく。これで「やせる冷蔵庫」の完成だ。
かたやま内科クリニック・片山隆司院長も、「太ルーティンを改善するには冷蔵庫は非常に重要なアイテム」と指摘する。
まだ満腹の時間のはずなのに甘いものが食べたくなる、というような「小腹が空いた」状態は「ニセの食欲」で、それを抑えるには3つの要素を改善するのが必要だ。
(1)先行刺激
目から入る刺激が食欲中枢に働きかける。好きなもの、興味のあるものを見ると、どうしても食欲がわいてしまう。
(2)ストレス
ストレスが溜まると脳が刺激され、つい甘いものが食べたくなってしまう。入浴やウオーキングなど、食べる以外の方法で解消するようにしよう。
(3)食行動連鎖
「風呂上がりのビール」「野球を見ながらおつまみ」「孫が来たらお菓子」など、食べる行為には一連の流れがある。「小腹が空いた」状態は5分以上もたないので、「5分ルール」を設け、何となく食べたくなったら5分間掃除する、歯を磨く、スマートフォンをいじるなどして5分間紛らわせるとよい。