新潟県糸魚川市を襲った大火は、出火から1日半たった2016年12月23日16時30分ごろ、鎮火した。約150棟、4万平方メートルを焼いた糸魚川大火。その原因は「フェーン現象」にあるのではないか、と推測されている。
12月22日の糸魚川市は、最大瞬間風速24.2メートル(12時10分ごろ)。その強風をおこし、より延焼させたのが、フェーン現象だというのだ。
気象予報士「台風並みの乾いた熱風」
フェーン現象は、風が山を越えるときに起きる。山越えで空気中の水分が減るため、乾いた風が抜けるのが特徴だ。今回の糸魚川でも、日本海に抜けた乾いた南風が、火災を広げる原因になったのではないかと考えられている。
これまでも日本海側では、たびたびフェーン現象が原因とみられる大火が起きている。1952年の鳥取大火(鳥取県)や、56年の魚津大火(富山県)が、その代表例だ。新潟市でも55年の新潟大火をはじめ、大規模火災が複数回起きている。
大火鎮圧から1夜あけた23日は、朝からテレビ各局のワイドショーが、この話題を取り上げた。各局とも被害拡大の要因として、強風による「飛び火」、木造家屋の密集、消火用水の不足を挙げていた。
強風とフェーン現象の関連も伝えられ、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)では、気象予報士の蓬莱大介さんが、「台風並みの、しかも乾いた熱風が、南から北へ吹いた」と説明した。