【林修の今でしょ!講座 3時間スペシャル】(テレビ朝日系)2016年11月29日放送
「最新検定かぜ&睡眠」
かぜの対処法として、昔から「あれやっちゃだめ」「これ食べた方がいい」といろいろ言われてきた。だが、今もすべてが通用するとは限らない。
番組では最新の研究を紹介しながら、かぜに関する「古い知識」を改めてもらおうと、帝京大医学部付属病院准教授の新見正則氏が解説した。
朝食で体温を上げてウイルスと戦う
番組に出演したMCの林修、俳優の上川隆也、フリーアナウンサーの高橋真麻は全員、かぜで仕事を休んだことがないという。そこで、新見氏がこんな質問を投げかけた。
新見「じゃあ、かぜをひいたこと、かぜっぽいなあ、というのは何回」
林「29年間を振り返って、おそらく2回」
上川「10回以上はひいていると思います」
真麻「数えきれません」
誰もがかぜっぽくはなるが、かぜを悪化させる人と踏みとどまる人に分かれる。その違いは何なのか。
ある一家の一日の暮らしをモデルに、スタジオの3人がかぜの正しい知識を持っているか、「○×クイズ」が出題された。なお記事では、一日のうち朝についてのみ取り上げる。
朝7時、一家で朝食を囲んでいるシーン。中学生の娘と母が、こんな会話を交わす。
娘「かぜっぽいから今日ご飯いらない」
母「でも栄養取った方がいいんじゃない」
ここで問題が出た。「かぜのとき食欲がなくても、朝食は無理にでも食べた方がいい」。3人の出演者のうち、「○」としたのは上川だけだ。これが見事正解。新見氏曰く、朝食で体温を上げてウイルスと戦うためだ。体温が上がった方がウイルスへの抵抗力が高くなるという。
米イェール大学の最新の研究では、かぜのウイルスは37度ですぐに死滅したという。逆に33度では、ウイルスは大繁殖した。
ポイントは、適度に体温を上げて汗をかくことにあると、新見氏は説明する。
薬を温かいお茶で飲んでもいいの?
では、朝食にどんなものを食べるとよいか。上川が「理想の朝食ってあるんですか」と新見氏に質問した。
「名医が食べる朝食」はおかゆに温野菜、そして湯豆腐だ。体をホカホカにして、ウイルスとの戦闘態勢を整える。なお、ご飯とパンを比べた場合、体温を上げやすいのはご飯に軍配が上がった。
次に「温かいお茶で飲んでも薬の効き目は変わらない」という質問。○か×か。これは林のみが「○」で正解だった。薬の服用は冷たい水が基本だが、体を温めるためにはホットなお茶でも構わない。新見氏によると、かつては薬の一部の成分が、緑茶に含まれるタンニンと反応して吸収されにくくなることがあったが、薬の進歩により問題は解消されてきたという。
ただし、「生グレープフルーツジュースだけは避けた方がよい」と新見氏。グレープフルーツに含まれるある成分が、薬を分解する酵素の働きを邪魔して、薬の効き目が強くなりすぎてしまう場合があるためだ。
もうひとつ、「食前に服用してくださいと書いてある葛根湯を食後に飲んでも問題ない」。今度も、林のみが「○」で正解だった。葛根湯のような漢方は、食後に飲むと効き目が薄れるため本来は食前の服用が望ましい。ただし、食前に飲み忘れて食事をとってしまったとして、数時間待つよりは早めに飲んだ方がよいと、新見氏は説明した。