政府は2016年12月20日の原子力関係閣僚会議で、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を正式決定した。2017年4月をめどに基本的な計画を定め、およそ30年かけて廃炉措置を行う方針。
福井県の西川一誠知事は閣僚会議前に文部科学省で行われた協議で「政府の方針転換は了承できない」として反発しており、地元の同意を得られないまま廃炉が決定した形。
政府は今後廃炉作業を始めるにあたり、
「安全確保に必要な観点から、事前に福井県や敦賀市の十分な理解を得た上で進める」
として、廃炉の経緯や取組について説明会を開くなど、地元と情報を共有する機会を設ける方針を示した。
もんじゅの運転再開に取り組んできた日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長はホームページ上で、
「所期の目標を達成できず、また、地元の期待に応えられず、誠に残念と言わざるを得ません」
とコメントを出した。
もんじゅは1994年の試験運転開始からトラブルが相次ぎ長期間停止した状況が続き、運転実績は22年間で250日だった。政府は再稼働に多額の費用がかかることなどを理由に、2016年9月から廃炉も視野に入れた抜本的な見直しを進めていた。