新垣結衣さん(28)と星野源さん(35)が主演するTBS系人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」は2016年12月20日に最終回が放送され、視聴率は番組最高となる20.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。放送回数を重ねるごとに視聴率が「右肩上がり」になる異例の展開だ。
人気を後押ししたとみられるのが、星野さんによるエンディングテーマ「恋」にのせた「恋ダンス」。全国各地で「恋ダンス」をまねして披露する動画が次々に公開され、再生回数が100万回を超えるものも少なくない。最終回放送直前には米国大使館も動画を公開し、キャロライン・ケネディ大使もサンタクロース姿でトップバッターで登場。公開から1日足らずで100万回以上再生された。ドラマの放送は終了したものの、しばらくは「恋ダンス」人気が続きそうだ。
羽生選手の「キレッキレ」ぶりも大反響
「恋ダンス」の、いわゆる「踊ってみた」動画人気に火をつけたとみられるのが、系列のJNN各局だ。11月初旬~中旬にかけて各局が番組宣伝を兼ねてユーチューブに公開した動画では、各地でおなじみのアナウンサーやリポーターが出演。特に北海道放送(HBC、札幌市)は局内以外にも時計台やテレビ塔といった市内の観光地でロケをするほどの気合の入れようだった。今でも削除されずに掲載されている動画の中では、東北放送(TBC、仙台市)の173万回を筆頭に、大分放送(OBS、大分市)73万回、青森テレビ(ATV、青森市)、長崎放送(NBC、長崎市)17万回と、「踊ってみた」動画として異例の再生回数を記録している。
11月28日には、元フィギュアスケート選手の織田信成さん(29)がダンス動画をツイッターで投稿。動画では織田さんと羽生結弦選手(22)、宮原知子選手(18)、田中刑事選手(22)の計4人が並んで踊っており、特に羽生選手のダンスが「キレッキレ」だと話題に。ツイートは20万回以上リツイート(拡散)された。
企業も高校も自治体もペッパーも
大企業以外の動画では、大阪府立登美丘高校ダンス部の動画も「完コピ」ぶりが話題になり、100万回以上再生された。それ以外にも、プライベートジムのライザップ、家事代行のベアーズ、八景島シーパラダイス、神奈川県寒川町など、民間企業から地方自治体まで、あらゆる企業や団体が「恋ダンス」動画を公開している。変わり種では、ソフトバンクのロボット「Pepper(ペッパー)」も「参戦」している。
米国大使館の動画では、東京の大使館に加えて、札幌、名古屋、福岡、沖縄の(総)領事館の外交官や職員が次々にオリジナルを忠実に再現したダンスを披露。ケネディ大使は動画の最初と最後にサンタクロース姿で登場した。
「恋するフォーチュンクッキー」以来の現象
これほど多くの人が「踊ってみた」動画を公開するのは、2013年の「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)以来だとみられる。この背景には、星野さんが所属するレコード会社が
「すでに多くの皆様が『恋ダンス』を楽しんでいらっしゃる現状を考慮のうえ、CDや配信で購入いただいた音源を使用し、ドラマエンディングと同様の90秒程度の『恋ダンス』動画をドラマ放送期間中にYouTubeに公開することに対し、弊社から動画削除の手続きをすることはございません」
とするメッセージをウェブサイトに掲載し、一定の条件を満たせば問題視しない姿勢を示したこともあるようだ。なお、星野さんが出演する「本家」の動画の再生回数は5600万回を超えている。
NHKは12月21日、紅白歌合戦のゲスト審査員のひとりとして新垣さんが参加すると発表した。星野さんは白組出場歌手として「恋」を披露することがすでに発表されており、ステージ上の「恋ダンス」共演実現に向けた期待が高まりそうだ。