全国各地で高病原性鳥インフルエンザの確認が急増しており、養鶏場で大きな被害が出ている。2016年は11月28日に青森県で感染の疑いがある鶏が見つかったのを皮切りに、新潟県、北海道、宮崎県と拡大してきた。
韓国では、史上最大の被害となる可能性が出ている。鳥インフルエンザは人間にも感染するのか、基本を確認しておこう。
新潟や宮崎の養鶏場、東山動物園でも
農林水産省の発表によると、2016年11月以降の鳥インフルエンザの発生状況は12月20日現在、野鳥などが鹿児島県の30事例を筆頭に13道県・71例を数える。家禽は4道県・6例だ。すべて「H5N6亜型」ウイルスによるものとなっている。
大きな被害が出たのは、新潟県だ。11月29日に関川村、翌30日は上越市の養鶏場で、それぞれ鳥インフルエンザに感染した疑いのある鶏が見つかり、その後感染が確認された。関川村の養鶏場では採卵鶏約31万羽、上越市は同24万羽が飼育されていたが、県は12月7日までに対象となる鶏すべての処分と、発生場所の消毒を終えた。
宮崎県川南町では12月19日、肉用鶏の養鶏場から鳥インフルエンザが疑われる事例が発見され、検査の結果陽性と判定されたと県ウェブサイトが発表した。該当する約12万羽も、全処分の対象となる。
食肉鶏や採卵鶏ではないが、名古屋市の東山動物園では12月12日、飼育していたコハクチョウ3羽が鳥インフルエンザに感染していたと判明した。この影響で年内は休園を決めており、経営面で打撃は避けられない。
状況がさらに深刻と言えそうなのが、韓国だ。韓国紙「ハンギョレ新聞」電子版の2016年12月20日付記事によると、発生から1か月がたった2016年の被害規模は、過去最悪を記録した14年の半年分を上回っているという。これまでに全土の鶏・アヒル1910万8000羽が処分された。