上西小百合衆院議員(無所属)がツイッターで、返済義務のない給付型奨学金について「大反対」だとの持論を展開し、波紋を広げている。「大学行けばなんとかなるなんて甘い」というのが主な根拠で、自分が大学に進学した理由は「家が裕福」だったからだとも明かした。
さらに、上西氏は自らの公式サイトに「政策」として「給付型奨学金制度の拡充」を掲げていたこともわかり、持論とは正反対の政策を自らの公約として掲げ、当選していたことになる。この点を指摘されると、「あれは維新時代のものですね。そう言えと言われたので」などと反応し、ほどなく奨学金の項目がウェブサイトから削除された。こうした一連のツイートには批判が殺到する事態となっている。
「中学から働いたって稼げます」
給付型奨学金は2016年12月19日、松野博一文部科学相と麻生太郎財務相が17年度予算案の閣僚折衝で合意し、導入が決まった。進学先や下宿の有無に応じて月額2~4万円を給付する。上西氏は同日夜のツイートで、この決定に異議を唱えた。
「私は給付型奨学金については大反対です。幸せの前提がお金持ちだと言うのもどうかと思いますが、仮にそうだとしても大学行けばなんとかなるなんて甘い。稼ぐなら中学から働いたって稼げます。本当に勉強したいなら社会に出てからだってできます。親の見栄で無理やり学校に行かされる事がないように」
一方で、自分が大学に行った理由については
「家が裕福でしたから大学まで行きました。それどころか3000万以上の貯金もあったので、そこから選挙資金を出せたので、今現職の国会議員です」
などと説明し、
「私が、国会議員になれる時代ですよ。自信を持って。見栄さえ張らなければ社会に隙はありますよ」
とも強調。
「平等に教育をなんて、給付型奨学金で解決するようなものではないどころか、その一助にもなりません」
として、給付型奨学金は格差解消に役立たないと主張した。
「大学に行けばなんて、今時馬鹿の発想」
こうしたツイッターに対して読者からは
「本気でやりたいことあって希望を持って大学へ進もうと思ってるのにお金なくて進学できない人なんてごまんといるのを知らないのかなぁ」
「多くの人は、その要領や運が無いから勉強して大学に行って可能性を広げる必要があるのでは?」
といった反論が続々と寄せられたが、上西議員は、ぞれぞれ
「大学に行けばなんて、今時馬鹿の発想ですよ」
「甘ったれるな」
と突き放した。
また、自身についても、「そもそも学歴だけでいったら貴方は二流~三流程度でしょ」 といった非難も飛び、これに、
「そうですよ。神戸女学院ですから。馬鹿大です」
と返信。出身校を「馬鹿大」だと断じるなどの騒ぎになっている。
ただ、上西氏は12月20日午前の時点で、ウェブサイトの「衆議院議員うえにし小百合の政策」と題したコーナーで、政策のひとつに「返済不要!給付型奨学金制度の拡充」を掲げていた。この矛盾点をツイッターで指摘されると、
「あれは維新時代のものですね。そう言えと言われたので。私は大反対です」
と返信。ほどなくウェブサイトから記述が削除された。
上西氏は12年の衆院選で日本維新の会(当時)から出馬し、選挙区では敗れたものの重複立候補していた比例近畿ブロックで復活し初当選。14年には維新の党(同)から出馬し、再び比例近畿ブロックから復活当選したが、15年に維新の党から除名された。