社会の縮図か、高校球界の不祥事、年間100件近く処分

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監督や部長らのとんでも行為

   部員の事件は「いじめ」「暴力」が多いのだが、深刻なのは監督や部長らのとんでもない行為である。

   その筆頭が破廉恥行為。「女子学生と不適切な関係」「児童買春」も明るみになった。いずれも部を総括する部長や副部長。彼らは「除名」処分とされ、高校球界から追い払われた。

   学校の姿勢が問われるのは中学生のスカウト行為である。

   ある高校は公立中学校、少年野球チームの指導者に手紙を送付。入学の便宜を図るような中身だったという。また、ある高校では禁止されている中学生を練習に参加させた。

   この中学生スカウト行為は強いチームにしたいという思いからなのだろう。確かに強力チームになれば受験生が増える。その年に活躍したプロ野球選手の出身校には志望者が殺到する。

「甲子園があるから」

   それが現実である。小学生でも高学年になると、保護者も夢を持つ。中学に進んで好成績を残せば、高校から目を付けられる。そして「甲子園への道」と意識する。

   審査室から処分を受けた高校の中には、甲子園に何度も出場した有名校もある。進学校もある。プロ野球の有名選手が出た高校もある。

   不祥事の内容を見ると、現在の社会で起きている同じ事件ばかり。高校野球は「現代社会の縮図」といっていいだろう。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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