【L4YOU!】(テレビ東京)2016年12月12日放送
「3ツ星温泉ソムリエが教える温泉健康法」
寒い季節に恋しくなる温泉。体を温めるだけでなく、入り方によって様々な健康効果が得られる。
番組では、日本温泉協会理事で3ツ星温泉ソムリエ、さらに厚生労働省認定の温泉入浴指導員の資格も持つ野添ちかこさんが勧める、健康にいい温泉施設や入浴法を、俳優の杉浦太陽さんとリポーターの梅田陽子さんが実践した。
日本初「炭酸琥珀湯」が血行促進
16年4月、横浜市にオープンした「綱島源泉 湯けむりの庄」では、天然温泉に炭酸ガスを溶かした、日本初の「炭酸琥珀湯(たんさんこはくゆ)」が楽しめる。
杉浦さんが入浴するとシュワっと炭酸の音がして、肌の表面にはたくさんの細かな泡が。
杉浦さん「めっちゃ汗かいてきた。これは代謝が上がるぞ」
皮ふから炭酸ガスが吸収され血行を促進し、5分間の入浴で血流量が4倍になる。天然温泉との相乗効果で腰痛、ひざ痛、血行障害、冷え症などの緩和が期待される。
山梨・上野原市の「秋山温泉」は、源泉温度が約37度で、熱くすることも冷ますこともなく、源泉のまま入浴できる。
杉浦さん「ずっと入っていられる温度。ぬるくもなく熱くもなく適温。これはストレス消えるわ」
野添さんによると、ぬるめの温泉では30~40分の長湯が効果的だ。
この施設では、「ハイドロトーン」という水中抵抗具を使った水中エクササイズを実施している。プールの中で、自分の体力レベルに合った適切な負荷をかけながら運動ができる。
ドイツ式の「アウフグース」というサウナもある。係員がサウナストーンにアロマを含んだ水をかけ、発生した水蒸気をタオルなどであおいで熱波を送り、発汗作用を促進させる。
絶景露天風呂で「転地効果」に期待
梅田さんは静岡・伊豆に出向いた。
まずは、波が打ち付ける岩場のギリギリにあり、海を一望できる温泉「黒根岩風呂」へ。
日常生活を離れ、自然環境豊かな土地に行くと、自律神経を刺激し、精神疲労や体調不良が改善する「転地効果」が期待できる。
梅田さん「潮風、潮の香り、波の音が聞こえる。めちゃくちゃ開放感がありますね。目線が海と同じ。海に入っているかのよう」
泉質はナトリウム、カルシウムを含む塩化物泉で、保温効果が高く湯冷めしにくい。
中伊豆の「船原館」では、「ワッツ」というリラックス体験ができる。
「WATER SHIATSU」をもとにした造語で、日本で指圧を学んだ米国人が始めた、水中で行うリラクゼーション法だ。
ここではアクアボディーワークインストラクターの資格を持つ館主・鈴木基文さんが行っていて、120センチの浴槽の中、体中の力を抜いて温泉に身を委ねる。
梅田さん「天国に散歩に行っているみたい。水流が優しく体をほぐしてくれる」
「いきなり露天風呂」は禁物
温泉に入る際、健康のために注意したいポイントが、野添さんから伝授された。
(1) 入浴すると汗をかくので、入浴前にたっぷり水分補給する。
(2) 入浴前のかけ湯は、心臓から遠い手先や足先から、徐々に心臓に向けて行う。
(3) 露天風呂に入る際は内湯で体をよく温めてからにする。冬場は外と中の気温差が大きく、いきなり露天風呂に入ると血圧が急上昇し、入浴事故になるおそれがある。
(4) 熱めの温泉に入る時は、休憩をはさみながら3分間×3回湯船に浸かるのがよい。
(5) 湯船から出る時は一気に出ず、3段階に分ける。まず中段で半身浴をし、へりに腰を掛け、それからゆっくりと立ち上がる。
(6) 温泉成分を浸透させるため、シャワーなどの真水で上がり湯はしない。ただし、酸性泉など成分が強い温泉では流してから上がった方がいい場合もある。
(7) 入浴後はタオルを冷たい水にひたしてしぼり、頭全体にのせると、血管を沈静化させのぼせ防止になる。入浴前に熱いお湯でしぼったタオルで同様にすると、より効果的だ。
(8) アルカリ性の温泉は皮脂を落としやすいので、入浴後はクリームなどでしっかり保湿する。
(9) サウナから出た後は水分補給をする。すぐに水風呂に飛び込みたくなるが、冷たい水は体に負担がかかりやすいので要注意だ。
(10) 飲泉できる場所では、一気に飲むのではなく、体にゆっくり浸透させるように少しずつ飲む。1日に飲む量が決められているのでそれを守ろう。
(11) 食後の入浴は約1時間休憩を取ってからにする。食後すぐに入浴すると、血液が分散され、消化不良を起こしやすくなる。