北方領土問題や経済協力を話し合うために来日したロシアのプーチン大統領が、安倍晋三首相との首脳会談を終えて帰国した。
プーチン大統領は大の犬好きで知られるが、2016年12月15日に宿泊した山口県長門市の温泉宿で夕食をとったプーチン大統領に、旅館の女将が「秋田犬の箸置き」を用意した。この箸置きがいま、「かわいい」と評判になり、売れに売れているという。
秋田犬の箸置きに注目集まる
「秋田犬」好きは有名なロシアのプーチン大統領。飼っている秋田犬の「ゆめ」は、2012年に東日本大震災のとき、ロシアの支援に対する東北地方の御礼として秋田県の佐竹敬久知事からプーチン大統領に贈られた。テレビなどで、「ゆめ」とじゃれ合うプーチン大統領の姿を目にした人も少なくないはずだ。
日露首脳会談の会場になった山口県長門市の温泉宿の女将も、そのことを知っていたのだろう。夕食時に女将が「来日したプーチン大統領のために」と用意したのは、「秋田犬の箸置き」だった。
TBSテレビは2016年12月16日夜のニュース番組で、「テーブルの花に飾りとして添えられた小さな小さな秋田犬に、プーチン大統領は一目惚れをしたのでしょうか、食事を終えると持って帰ったといいます」と、伝えた。箸置きは女将の私物だったそうだ。
すると、この「秋田犬の箸置き」がインターネットの掲示板やツイッターなどで評判になり、
「これはプーチンんじゃなくても欲しくなるわw」
「かわいい... 飾っておきたい。どこで売ってんの」
「これはいま売ってないのかな?w」
「プーチンどんだけ秋田犬好きなんだよw」
といった声が続々と寄せられ、同時に製造元の特定が進められたようだ。
製造元とされるソラマメ商会は、12月 17日付のブログで、
「今日、お客様からお電話で、『秋田犬の箸置き、在庫はありますか?』とのお問い合わせ。なんでも、訪日中のプーチン大統領が、『夕食の席にお花と共に置いてあった秋田犬の箸置きをお持ち帰り。』とのニュースが出て、お店に問い合わせがたくさんあったとのこと。
びっくりしてネットを検索すると画像が! 残念ながら、在庫はそんなになくて、全然足りないのですが、とりあえずある分だけ出荷しました。
いや?、驚きました。想像できないことが起こるものですね」
と、心境を綴った。
ソラマメ商会の商品はすべて手づくりで、箸置きだけで1000種類以上もある。ぬくもりとかわいらしさが感じられる、イヌやネコなどの動物をモチーフとしたものばかり。箸置きのほか、ストラップやミルクピッチャー、帯留め、「豆々皿」(小皿)などがある。
小売りはせず、箸の専門店で販売
ソラマメ商会は12月19日、J-CASTニュースの取材に対し、「申し訳ありませんが、個人のお客様には直接お取引(小売り)はしていないんですよ」と話す。商品は、東京や名古屋、大阪などにある箸の専門店で販売されている。プーチン大統領が持ち帰ったとのニュースで、「各地の専門店さんから、お問い合わせや在庫確認、ご注文が相次いでいるところ。個人のお客さまからもお問い合わせをいただくのですが、小売りはしていないもので...」と、現状を説明。販売先について質問すると、「お店のほうにお客さまからのお問い合わせが殺到しているようなので、ちょっと控えさせていただきたいです」と話す。
ソラマメ商会の商品は、すべて手づくりのため、在庫をもたないという。1回に1000個ほどをつくるが、「成型して乾燥させて、色付けします。その後に予約をいただいてから、焼きあげていきます」と話し、成型から焼きあげまで、3週間から1か月を要する。
なかでも、「秋田犬の箸置き」は人気の逸品で、「出荷できる商品は出荷しましたが、9月に業者さん向けの展示会に出品して以降、現在でも半年待ちの状況でした。それに今回のニュースが重なって...」と、大慌てのようす。
J‐CASTニュースが「買うには1年くらい待ちますか」と聞くと、「順番に出荷しますので、半年待っていただければ」と話した。