日清食品が強気の国内投資 「次世代型」工場はココがすごい

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   日清食品が575億円を投じ、滋賀県栗東市に新工場を建設することを決めた。国内での工場建設は1996年10月に稼働を始めた静岡工場(静岡県焼津市)以来、約20年ぶりになる。

   日清食品の発表(2016年12月7日)によると、新設する「関西工場」(仮称)は17年5月に着工し、18年8月から一部で稼働を始める。工場全体の完成は19年12月を予定。「カップヌードル」などのカップ麺や袋麺といった即席麺を作り、フル稼働時の生産能力は1日当たり315万食で国内最大になる。

  • 工場のIoT化を進める(写真は日清食品の東京本社ビル。Wikimedia Commonsより)
    工場のIoT化を進める(写真は日清食品の東京本社ビル。Wikimedia Commonsより)
  • 工場のIoT化を進める(写真は日清食品の東京本社ビル。Wikimedia Commonsより)

国内の食品需要はピークを過ぎたとされるが...

   新工場の敷地面積は約10万平方メートルの同社所有地。ここから約350メートルしか離れていない場所には1973年9月に稼働した滋賀工場があるが、「40年以上が経過し、高効率の設備導入や今後の生産能力の拡張性などが課題となっていたことも新工場建設を決断させた」という。滋賀工場は実質的に縮小し、即席麺の製造をやめ、具材専用に転換する。

   少子高齢化の進展で人口減少社会に突入し、国内の食品需要はピークを過ぎたとされる。そんな中、日清食品が国内で強気の投資をしたのは、即席麺に限れば市場は拡大傾向にあるからだ。日本即席食品工業協会によると、2015年の国内生産量は前年比4.3%増の56億食を突破した。

   そんな成長市場の中で、日清食品の国内シェアは4割超とトップ。業界では「国内でもまだまだやれると判断。積極投資に打って出て、シェアをさらに伸ばすつもりだ」(食品大手)との見方が広がる。

IoTを活用

   一方、投資額が575億円と巨額になるのは、日清食品が考える「次世代型スマートファクトリー」の実現を目指すからだ。最新鋭の設備を導入して、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)を活用。生産効率を高めた工場だ。自動化によって従業員は滋賀工場の半分程度の350人に抑えられる。

   なお、滋賀工場に現在いる約700人の従業員については、一部が新工場に移り、残りは滋賀工場で働き続け、雇用は維持するという。

   このニュースに対し、ネット上では「日清、スケールが違う」「雇用が増えるのか、減るのか、よく分からん」「IoT化が進めば人はいらなくなるね」「不景気で食事はカップ麺なんて人が増えて、需要が伸びているのかも」といったコメントが並んでいる。

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