日本の鹿島アントラーズが、世界を代表するメガクラブ、スペインのレアル・マドリードを本気にさせた。そう思わせる試合だった。
2016年12月18日に行われたFIFAクラブワールドカップ2016決勝は、大方の予想を覆し、鹿島が一時リードする展開になった。
柴崎岳が2ゴール
ヨーロッパ王者のレアルは、2016年バロンドール(年間最優秀選手)のクリスティアーノ・ロナウドをはじめ強豪国の代表選手を数多くそろえる「銀河系軍団」。この試合まで公式戦36戦無敗と圧倒的な強さを誇り、クラブW杯も優勝候補の筆頭だ。
そのレアルは前半9分、早々に牙をむく。ルカ・モドリッチのミドルシュートに、一度は曽ヶ端準がセーブするも、カリム・ベンゼマが押し込んで先制。ツイッター上では「まぁそりゃそうだよね。どう足掻いたって勝てる訳ねぇもん」「ベンゼマ上手いな、やっぱ鹿島じゃ勝てないでしょ」などとため息がもれた。
ところが前半44分、鹿島の逆襲が始まる。土居聖真がクロスを上げると、柴崎岳がトラップ、ボールは相手に当たるが、シュートまで持ち込むとレアルのゴールネットに突き刺さった。
前半を1対1で終えた鹿島は、後半開始直後の6分。またもクロスボールを柴崎が受けると、レアルDF数人に囲まれながらもキープ、倒れ込みながらシュートを放ち、逆転ゴールを奪った。
これでレアルイレブンに火が付いたのか。後半10分、PKを獲得するとロナウドが冷静にゴール。2対2の同点に戻す。この時、ゴールを決めたロナウドは、鹿島ゴール内のボールを自ら持ち出し、センターサークルへ持って行った。その表情にはまったく喜ぶ様子はなく、急いでいるように見えた。ツイッターでは
「鹿島相手にpk決めた後にロナウドがボールを拾う姿。 鹿島がロナウドを本気にさせた。すげ」
「ロナウドがPK決めた後急いでボール取りに行ってた。焦ってるレアルを見るのも楽しいねw後スゲーガチモードに入ってる」
「C.ロナウド、PK決めて喜ばず自らボールを取りに行った。本気になってるね」
「PKを決めたロナウドがすぐさまボールを取りに...いやぁ本気だ」
と、様子の変化を感じる声が続々とあがる。