女性の約8割は「デリケートエリア(陰部)の不調」を経験するが、専門医を受診する人は1割に満たないという調査結果をバイエル薬品がまとめ、2016年12月15日発表した。
特に不調の大きな原因の1つである「膣カンジダ症」については、若い世代で知らない人が半数に達した。
妊娠以外で産婦人科に行くのは恥ずかしい
バイエル薬品の発表資料によると、調査は2016年12月2日~5日の間に18~45歳の女性600人を対象にインターネットで「デリケートエリアの不調」について尋ねた。それによると、「不調を感じたことがある」は76.7%だった。しかし、「すぐに病院に行った」人は9.6%で、「市販薬のかゆみ止めなど自力で対処した」が35.0%、「そのまま放置した」が51.5%に達した。
「妊娠以外の理由で産婦人科に行くのは抵抗があるか」と聞くと、70.7%が「抵抗がある」と答えた。その理由として「恥ずかしいから」「内診が怖いから」「男性医師に触られたくないから」などを挙げた。特に18~22歳の若い世代では77.5%が「抵抗がある」と答えた。
「膣カンジダ症」を知らない若い女性が半数
また、「膣カンジダ症を発症したことがあるか」と尋ねると、6人に1人にあたる16.7%が「ある」と答え、そのうち54.0%が「再発した」と回答した。「腟カンジダ症」は、腟の中のカンジダ菌が増殖し、おりもの・かゆみなど不快な症状を起こす。菌自体は、健康な女性でも皮膚、口の中、消化管、腟に存在する「常在菌」だ。風邪や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下やホルモンの変化によって、腟の中で増殖し発症する。女性の約20%が経験する。
膣カンジダ症に関する知識を尋ねると、全体の65.7%が「知っている」と答えたが、18~22歳の若い世代では約半数の53.5%だけだった。「知らなかった」と答えた人に「発症の原因」について聞くと、「性交渉による感染(性病)」を一番に挙げた人が83.2%もいた。性交渉も原因の1つになるが、正しくは「食生活の乱れ」や「ストレス」で、若い世代に病気の知識のない人が目立った。