「ネットニュース」見る人は9割がポータルサイトから
最近では、DeNAが医療情報サイト「WELQ」をはじめとする10のキュレーションメディアを非公開にした。根拠が明らかではない情報や、著作権を尊重せず盗用が疑われる記事が多数掲載されていると問題視されたためで、大きな騒動となると同時に「ネットメディアの信頼性」が改めて問われる出来事となった。
ただ、今回の調査では、インターネットニュースをどういったサイトで見るかについても質問している。圧倒的に多かったのがヤフーなどのポータルサイト(89.9%)で、「新聞社・通信社の公式サイト」を挙げたのは20.5%だった。
ポータルサイトには、新聞社・通信社、J-CASTニュースのようなネット専門のニュースサイトから記事が集まり、ポータルサイトの編集部がトップページに掲載する記事の選定や見出しの作成を「人力」で行っている。一連の問題を起こした「キュレーションメディア」の記事が、こういったポータルサイトのトップページで取り上げられることは皆無に近く、今回の調査が念頭に置いている「ネットニュース」とは「別物」だと考えるのが自然そうだ。
いわゆる「ネットニュース」だけみても、新聞社やテレビなどのマスメディアが記事を配信しているものから、J-CASTのようなネット専門のニュースサイトのもの、ネット上の情報をまとめたキュレーションメディアやバイラルメディアのものまで幅広くあり、コンテンツの作り方はそれぞれで異なっている。ネットメディアが乱立する中、読者は「取材の有無」「情報の正確さ」といった点から、それぞれの信頼性を個別に見極める必要がありそうだ。
調査は新聞通信調査会が8月19日から9月6日にかけ、全国18歳以上の5000人を対象に実施。サンプリングは住民基本台帳を用いた層化二段無作為抽出法で行った。結果は10月22日に公表され、会報「メディア展望」12月号に分析記事を掲載している。