2020年東京五輪の会場見直し問題は、3会場すべてが従来計画通りでほぼ決着した。東京都の小池百合子知事の「全敗」を指摘する声もあるが、どうなのだろうか。
「『大山鳴動すれどもネズミ1匹』といいますか、何だったのか...」。前々回12月2日の定例会見では、こんな質問を受け、小池知事は、色をなして反論した。会場見直しでコストカットが進み、「頭の黒いネズミ」も見つかったのは、収穫ではなかったかというものだ。
3会場で400億円削減を強調
事前に報じられた通り、今回16日の定例会見では、小池知事は、ボートや水泳に続き、バレーボールでも従来計画通りの会場と決めたことを明らかにした。
「前と同じと言うかもしれないが」と批判を意識していることを明かしたうえで、まずコストカットの意義を盛んに強調した。
バレーボールの会場は、周辺スペースの確保面などから横浜アリーナの活用をあきらめ、有明アリーナを新設するが、404億円から65億円を削減して340億円になったと会見で報告した。また、ボートの会場では、東京湾岸に新設する「海の森水上競技場」をコンパクトな形にして500億円から300億円を切るまで削減する。さらに、水泳の「アクアティクスセンター」(江東区)は、2万席の計画を1万5000席にまで減らし、683億円だったところを150~169億円削減して新設する。
「ざっくり400億円の削減になる」。小池知事は、3会場見直しでこれだけの効果が出るとした。
小池知事は、「ただ安くするのではない」とも強調した。