「片手であそぶ、新しいマリオ」をキャッチコピーにした任天堂のスマートフォン(iOS)向けゲームアプリ「SUPER MARIO RUN(スーパーマリオラン)」が2016年12月15日(米国時間)、ついにリリースされた。「ポケモンGO」を超えるとの予測もあり、さっそく大きな注目を集めている。
そうした中、日本のネットユーザーの間では「全プレイには1200円」という設定をめぐり、議論が巻き起こっている。
「なんで無料じゃないの」
マリオランは、スーパーマリオシリーズとしては初のスマートデバイス向けゲームだ。プレイヤーは走り続けるマリオをタップ操作で動かし、コインを集めながらゴールを目指す。また、コイン枚数とアクションの多彩さで他プレイヤーと競うモードもある。
15日の配信開始前から「ポケモンGO」に匹敵、もしくはそれ以上――といったヒット予測が出ていたほどで、16日未明、日本でも配信が始まるとネット上は大盛り上がりとなった。
ところが、ほどなくして「価格設定」への不満も目立つようになった。ツイッター上にはこんな投稿が相次いでいる。
「マリオラン全部のワールドやるのに1200円もかかるとか聞いてない」
「めっちゃたのしみにしてたのになんで3までしか無料じゃないの」
「無料配信なのに1200円払わないと進めないのかよ、クソゲーじゃん」
「搾取する気満々やな任天堂」
マリオランは無料でダウンロードでき、ゲームの一部はお試しで遊べるようになっている。ただ、基本的には「買い切り型」のゲームであり、すべてプレイするには1200円払う必要がある。
1200円は、スーパーマリオシリーズのゲームの中ではお手頃だろう。たとえば2013年発売のWii U用ソフト「スーパーマリオ 3Dワールド」は5700円、2012年発売のニンテンドー3DS用ソフト「New スーパーマリオブラザーズ 2」は4571円(ともに希望小売価格/税別)だった。
ハードゲーマー「1200円さえ払えば全部楽しめる!」
だが、マリオランをあくまでスマホゲームとして考えると、人それぞれ受け止め方が異なるようだ。背景には、国内のスマホゲームの多くが「基本無料+アイテム課金」の形をとっていることがある。
基本プレイは課金しなくても可能なため、ほとんどのライトゲーマーはこれでこと足りてしまうのだ。有料アプリであっても数百円程度でおさまるものが多い。そのため「買い切り型1200円」は、日頃お金をかけないでスマホゲームを楽しんでいる層にとっては多少のハードルとなってしまうのだろう。
一方、いわゆる「ガチャ」を含めたアイテム課金に慣れているハードゲーマーらは真逆の反応を示している。多くは「1200円払いさえすれば、追加課金なく全て楽しめる」という好意的な見方だ。
実際ツイッター上では、価格批判に反論する形で
「新作マリオが1200円で遊び放題ってめちゃくちゃお得だからな?」
「永遠にガチャを回し続けて金を搾取するゲームと、最初にお金を払ってそれ以降課金しないゲーム、どちらが本来のゲームの売り方なのか、一度考え直せば馬鹿でもわかるよね?」
といった意見がいくつも投稿されている。
主流のアイテム課金ではなく、あえて「買い切り型」を採用したことは吉と出るか凶と出るか。マリオランの成否はゲーム業界全体が注目するところだ。