赤ちゃんの体重減を心配しないで 「でも生後2週間たって戻らないの...」

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   赤ちゃんは生まれた直後に体重がどんどん減っていく。そして多くの子が1週間後くらいから元の体重に戻り始めるといわれるが、なかなか体重が戻らなくて心配するママが少なくない。

   「新生児の生理的体重減少」と呼ばれる自然な現象だが、いったい、何日くらいで元に戻る子が多いのだろうか。正確なデータをまとめた研究が少なかったが、米国で約14万人の赤ちゃんを調べた大規模調査が報告された。

  • 成長が遅くてもあたたかく見守ろう
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新生児が生後すぐに軽くなるのは自然現象

   赤ちゃんは、生まれるとすぐにお母さんのお腹の中にいる間にたまっていた尿や便を排出するため、体が軽くなる。

   広島市の医療法人・中川産科婦人科のウェブサイトによると、「新生児の生理的体重減少」について、次のように説明している(要約抜粋)。

「生まれてすぐの赤ちゃんは、生後数日は体重が減少します。生後2、3日は飲む量に比べ、体から出る水分量が多いためです。これを生理的体重減少といい、正常正期産児では、約1週間で出生体重に戻り、その後増加していきます。失われる水分として、便・尿・汗や不感蒸泄があります」
「不感蒸泄とは、呼気や皮膚から蒸発によって失われる水分をいいます。新生児は不感蒸泄が多く、成人より体重に占める水分量が多いため、水分バランスは変化しやすい状態にあります。個人差が大きく、脱水や低血糖にも陥りやすいため、医師や助産師等に相談しながら授乳しましょう」

   いったい、赤ちゃんは生後どのくらいで元に戻るものなのか。米ペンシルバニア州立大学の研究チームが、2009~2013年の間にカルフォルニア州の医療機関で生まれた14万3889人の乳児の体重の変化のデータを調べ、米小児科学会誌「Pediatrics」の2016年11月号に発表した。

成長が遅く見えても見守ってあげて

   論文によると、研究チームは調査の対象から、双子や36週未満の早産児、出生時の2000グラム未満の子はのぞいた。そして、なかなか体重が戻らないとして母親が心配する生後14日(2週間)、および21日(3週間)の時点で、出生時の体重より軽い子がどのくらいいるか調べた。

   その結果、次のことがわかった。

   (1)経膣分娩の子(全体の76%)では、生後14日までに出生時の体重に戻らない子が14%いた。生後21日(3週間)までは5%いた。

   (2)抵抗切開で生まれた子(全体の24%)では、生後14日までに出生時の体重に戻らない子が24%いた。生後21日までは8%いた。

   以上の結果から、研究チームでは論文の中で、「新生児が生後10~14日の頃に出生時より軽いことは決して珍しいことではありません。帝王切開で生まれたこの場合は、1か月後でも回復していない例さえあります。成長が遅く見えても心配しすぎないで見守ってあげることが大切です」とコメントしている。

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