百田尚樹氏「一種の言論弾圧」 毎日新聞の「謝罪・動画削除」要求に反発

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   作家の百田尚樹氏らが出演したCS放送番組「虎ノ門ニュース」に対し、毎日新聞社が名誉棄損だとして謝罪などを求める通知書を送っていたことが分かった。法的措置まで示唆する内容に、百田氏らは「言論人としていいのか」と反発している。

   虎ノ門ニュースは、化粧品メーカーDHC運営のチャンネル「DHCシアター」で平日深夜に放送され、ユーチューブ上でもネット配信されている。

  • 12月13日放送の虎ノ門ニュースから
    12月13日放送の虎ノ門ニュースから
  • 12月13日放送の虎ノ門ニュースから

百田尚樹氏「トランプの記事がない」などの発言

   毎日新聞社が謝罪などを求めたのは、2016年11月15日放送の番組内容に対して、だ。

   この日の番組では、米国新大統領となるトランプ氏側が中国に対抗して日米同盟を強化する考えを示したというニュースが取り上げられ、百田氏らのコメンテーターがその関連で新聞各紙の1面を比較した。

   百田氏が医療関係のトップ記事について「毎日新聞がおかしい」と批判し、拓殖大学客員教授の石平氏もそれに呼応して、こう述べた。

「毎日新聞、もう新聞紙としての価値はまったくないんですね」
   「(中国の通信社の)新華社のを伝える役割すら果たしていない」

   すると、百田氏も、トランプ氏関連のインタビュー記事が1面左側にあることを示しながらも、「1面にはね、トランプの記事がないんですね」などと指摘した。石氏は、さらに過激になって、「毎日バカ社」などと罵倒していた。

   その後、12月13日になって、「虎ノ門ニュース」の中で、毎日新聞社から6日付で謝罪などを求める社長室長名の「通知書」が配達証明郵便で届いたことが明らかにされた。通知書では、「当社に無断で本書状の文面を引用、公表することがないように求めます」と結んであったが、番組では、文面がすべて映されて全面公開された。その理由としては、視聴者に隠すことはネット双方向の番組としては背信行為だと判断したとチーフプロデューサーが冒頭で説明した。

毎日新聞「『言論弾圧』との批判は当たらない」

   番組に映された毎日新聞社の通知書では、石平氏が「新聞紙としての価値はまったくない」「新華社のを伝える役割すら果たしていない」「毎日バカ社」としたのは、事実に反すると反論した。その理由として、毎日が新聞協会賞を最多の28回も受賞するなど社会的に評価を受けていることを挙げ、論拠も示さない誹謗中傷などと断じた。百田尚樹氏に対しても、「1面にはね、トランプの記事がない」というのは事実に反するとしている。

   こうした番組内容は、名誉棄損に当たるとして、謝罪放送や番組動画削除などを求めている。もし応じなければ、法的措置を含めた対応を検討しているとしている。

   12月13日の「虎ノ門ニュース」では、石氏は、新華社とバカ社の発言について、不適切だったなどとして、撤回することを明らかにした。しかし、「新聞紙としての価値はまったくない」については、消費者の価値判断や表現の自由だとして、「何も問題ない」と突っぱねた。こうした内容を盛り込んだ回答書を8日付で毎日新聞社に出したことも明らかにした。

   百田氏は、「トランプの記事がない」発言について、インタビュー記事があるのは認めながらも、緊急性が薄くニュースと言えるのか疑問であるという意味で言ったと釈明した。

   通知書の内容については、百田氏は、新聞社は記者クラブの特権などで守られており、批判してもいいはずだとして、「言論人としては、とんでもない過ち」だと非難した。石氏も、「賞をもらったのは、消費者には関係ない」と同調した。

   番組でも最後に、百田、石両氏の発言は、特定個人の誹謗中傷でなく、大手メディアへの批判として許容できる範囲だと考えているとチーフプロデューサーが説明していた。

   毎日新聞社の社長室広報担当では15日、J-CASTニュースの取材に対し、通知書を出して見解を求めたことを認め、石氏からも回答書を受け取ったとしたうえで、「当社は表現の自由、言論の自由を尊重しております。一部で出ている『言論弾圧』との批判は当たらないと考えております」とコメントした。百田氏は13日のツイッターで、毎日新聞側の対応について「一種の言論弾圧」だと指摘していた。

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