都議会で自民党との対立を先鋭化させている小池百合子知事に、新たな援軍が登場した。これまで自民党と連携してきた都議会公明党が、自民党との「信義が完全に崩れた」として、連携の解消を表明。「知事が進める東京大改革については、公明党も大賛成」とエールを送った。
2017年夏には都議選が行われる。都議選はひとつの選挙区から複数の議員を選ぶ中選挙区制を採用しているため、いくら「連携相手」でも選挙では「敵同士」。こういった事情を見据えて、自民党と差別化を図る狙いもありそうだ。
議員報酬削減の改革案がメディアに漏れて自民が反発
自民・公明の長年の連携関係にひびが入るきっかけになったのは、議員報酬や政務活動費などのあり方について話し合うために設置された「都議会のあり方検討会」。公明党は議員報酬2割削減を骨子とする改革案を用意していたが、その内容が事前にメディアに報じられたことを自民党が「公明党との信義が崩れた」と反発。自民党は公明党に対して、改革案を修正するか検討会への参加を見送るかを求め、公明党は改革案の内容は変えられないとして検討会からの離脱を選んだ。離脱を決めた2016年12月14日夕方、都議会公明党の東村邦浩幹事長が記者団に対して
「自民党との信義との観点で今までやってきたが、これは、完全に崩れたと思っていただいて結構」
とぶちまけた。小池氏との関係については
「知事が進める東京大改革については、公明党も大賛成。ともにしっかりと推進していきたい」
と述べた。高い支持を誇る小池知事と足並みを揃えることで、都議選を有利に展開する狙いもありそうだ。