フジ「正当な取材活動の範囲内で、公共性・公益性がある」
タクシー会社では、映像を確認していないことを理由にいったんフジに引き取ってもらったが、その後に役員らが協議し、フジ側に映像を提供することにした。ASKA容疑者に逮捕歴があることや、運転手にまた負担がかかることを考えてのことだとしている。
実際、この運転手から情報を得ようと、フジ以外の複数局から取材の申し込みが相次ぎ、民放各局が続々とASKA容疑者の車内映像を流した。こうした経緯については、タクシー業界紙の東京交通新聞も、12月12日付記事で詳しく報じている。
ドライブレコーダーの映像については、覚せい剤事件との関連は薄く、ネット上などでプライバシーの侵害ではないかとその提供や報道に批判が高まった。その後、チェッカーキャブ側が11月30日、警察からの照会などに限って行うべきだったとして、ホームページ上で謝罪した。また、国交省も12月1日、映像提供は遺憾だとして、業界団体に適切に管理するよう通知を出している。
フジテレビ系番組でも、タレントの坂上忍さん(49)や松本人志さん(53)が映像使用に疑問や批判を口にしているが、無線協組理事会での報告が事実なら、フジそのものが真っ先に映像に飛びついていたという皮肉な形になる。
フジテレビの企業広報部では14日、J-CASTニュースの取材に対し、「ご質問いただいた内容につきましては、事実関係が異なる部分がございます」とコメントした。それはどの部分かについては、「取材・制作の詳細についてはお答えしておりません」として明かさなかった。しかし、「正当な取材活動の範囲内で、ご指摘の映像を入手しております。容疑者の逮捕直前の映像であり、公共性・公益性があると判断し放送いたしました」と説明している。