野菜いらない、唐揚げムシャムシャ 2歳児の「超偏食」親はヤキモキ

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【すくすく子育て】(Eテレ)2016年12月10日放送
「困った!子どもの偏食」

   好き嫌いなく、何でも食べてほしいのが親心...だが、好きなものしか食べない、濃い味が好き、野菜を嫌がるというのも、子供の「あるある」ではないだろうか。

   番組では埼玉医科大学総合医療センター新生児部門の小児科医、加部一彦氏と、帝京科学大学の上田玲子教授をスタジオに招き、子供の偏食について、親たちの疑問に答えた。

  • 苦手なものを食べてもらうには
    苦手なものを食べてもらうには
  • 苦手なものを食べてもらうには

いっぺんに出すのではなく「フルコース方式」で

   神奈川県の松木將翔(まさと)くん(2歳2か月)は、弟の楓雅(ふうが)くん(4か月)が生まれる少し前から、急に野菜を嫌がるようになった。

お母さん「1歳8か月頃から、野菜で作られたものは『いらない』『違う』って。前はみそ汁に野菜を2種類くらい入れてあげていた。大根が好きで、つまんで食べていたけれど、最近はそれも『いらない』と」

   ある日の食卓には、チャーハンと唐揚げ、トマト、ブロッコリー、切り干し大根が並んだが、野菜類には目もくれず、唐揚げにまっしぐら。結局唐揚げだけ3回もおかわりし、野菜には手を付けなかった。

   加部氏によると、2歳前後は自我が芽生える年齢で、それまでは出されていたものを何でも食べていたのに、突然嫌になるケースは多いそうだ。

   上田氏からは「味の5原味」というワードが出た。

上田氏「甘みは『エネルギーがある』、うまみは『タンパク質がある』というお知らせで、塩味は体の塩分バランスを取るために必要なので、おいしいと感じるようにできている。酸味は食べ物が腐った味なので恐怖を抱く。苦味は生物界では毒の味なので危険を感じて嫌がる。特に青い野菜は苦味が多いので、子供は本能的に嫌がる」

   松木さんは友人から「大きめに野菜を切って噛んで食べさせるようにした方がよい」とアドバイスされ、トマトやブロッコリーを大きめに切って出していたが、これが食べないことにつながっているとの指摘も。

上田氏「嫌いな味を食べにくくしてしまうとさらに食べなくなるので、食べるようになったらだんだん硬く大きくしていった方がよい。好きなものなら大きめに切ってあげて大丈夫」

   「フルコース方式」で食べさせる方法もアリだ。

上田氏「いっぺんに出してしまうと子供は好きなものから食べるので、お腹がいっぱいになって、苦手なものは『もういらない』となってしまう。食べさせたいものを先に出して、それを食べたら次、という風に、順番を考えてもよい」

   今年7月の半ばから9月の終わりくらいまで、2週間に1回くらい風邪を引いていた將翔(まさと)くん。野菜不足が原因なのかという心配もあるようだが、加部氏は「直接は関係ないでしょうね」という。

加部氏「この時期は体を守る免疫の力も弱いので、保育園など集団の中に行き始めると周りの病気をもらってくる。それで免疫が発達してだんだん風邪を引きにくくなってくる。2歳前後に限定して言えばあまり関係ないのでは」
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