女性の身だしなみだけではなく、男性にも広がっているデリケートゾーンの脱毛処理。キレイで清潔になるはずだったのに、思わぬ落とし穴が。
梅毒などの性感染症を発症するリスクが3~4倍高まるという研究結果が発表された。
性感染症の発症リスクが3~4倍高まる
デリケートゾーンの脱毛については、30代の読者が多い女性誌「steady」(宝島社)が2014年9月号に載せた読者アンケートによると、回答者の55%がアンダーヘアを処理していると答えている。米国ではもっと盛んで、女性の8割以上に達していることが、米カリフォルニア大学の調査で明らかになっている。
米医師会誌「JAMA皮膚科学」(電子版)の2016年6月29日に発表された論文によると、18~65歳の女性3316人からアンケート調査した結果、83%が脱毛している。処理の場所は、恥骨上部のVゾーン(74%)と膣周囲のIゾーン(75%)が多く、全部処理した人が62%いた。処理した理由は、「衛生的だから」(59%)、「日常的な手入れの1つ」(46%)、「性器の魅力が増すから」(32%)、「パートナーが好むから」(21%)などが多かった。
実は、研究チームのタミー・ローエン博士はデリケートゾーンの脱毛の危険性を、論文の中でこう指摘していた。
「それぞれの人種の文化や美意識など、女性がヘアを処理する理由は多様です。これだけ広まっているのですから、医療従事者が処理に伴う外傷のリスクなどをアドバイスする重要性は高まっています」
さて今回、性感染症の専門誌「Sexually Transmitted Infections」(電子版)の2016年12月5日号に論文を発表したのは、米テキサス大学泌尿器科のチャールズ・オスターブ助教授らのチームだ。論文を報道した健康医療ニュースサイト「HealthDay News」(2016年12月5日)によると、米国の18~65歳の男女7580人を対象に、デリケートゾーンの処理と梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス(HPV)などの性感染症との関連を分析した。HPVは子宮頸がんの原因とされるウイルスだ。