日本ハム・大谷翔平選手(22)の「二刀流」挑戦について、過去に「プロ野球をなめるな」などと強く否定していた野球評論家の野村克也さん(81)が、出演したテレビ番組で「(発言を)撤回させていただきます」と頭を下げた。
2016年シーズンの大谷選手は投打にフル回転。投手としてはエース級の活躍、打者としても22本の本塁打を放つなど、まさに前代未聞の活躍でチームの日本一に貢献した。そんな大谷選手のプレーには、野村さんも舌を巻くばかりだった。
「俺が監督でもやらせたくなるわ」
2016年12月11日放送のバラエティー番組『フルタチさん』は、「大谷選手の二刀流に反対していた評論家は今どう思っているのか?」というコーナーを放送。この企画に登場したのが、大谷選手の「二刀流」について厳しい言葉を送っていた野村さんだった。
2013年のプロ入り時に「二刀流挑戦」を明言した大谷選手。これに「大反対」していたのが野村さんで、同年5月のトークイベントでは、
「二刀流?ふざけるな」
「一刀流だけでも大変なのに、プロ野球をなめるな」
「俺が日ハムの監督で使うなら間違いなくピッチャー」
と苦言を連発したことがスポーツ紙などに報じられている。
そんな野村さんだったが、投打に躍動した今シーズンの大谷選手のプレーには驚いたようだ。今回の『フルタチさん』の放送では、
「常識的に、二刀流っていうのは無理だと思ってた。そんなプロって甘くない。だから最初は反対してたんだけど、やっぱり、俺が監督でも(二刀流を)やらせたくなるわ」
と絶賛。その上で、「メジャーに行かせちゃダメだよ、日本のプロ野球の宝じゃない」と話すなど、ベタ褒めの様子だった。
「大谷さん、すいませんでした」
その上で、番組スタッフが「プロ野球をなめるな」といった過去の否定発言について、「今どう思っているのか?」と野村さんに尋ねると、
「取り消し!彼のプレーを見て、考え方を改めさせられました」
と潔く否定。その上で、
「もう自信を無くした。自分の見る目とか言うことは信用していたから、(発言を)撤回することはほとんどない。今回だけは、撤回させていただきます。大谷さん、すいませんでした」
と話し、深く頭を下げて謝罪した。
このように野村さんの評価を「一変」させた大谷選手の活躍について、ツイッターやネット掲示板では、
「大谷が規格外の選手すぎた」
「ノムがここまで言うということは前代未聞の選手って認めたこと」
「ノムさんまでもこういう事を言わせた大谷くんは、さすがとしか言いようがない」
といった書き込みが出ている。