俵万智氏「『死ね』が世の中動かした」 流行語選出批判に「思い」明かす

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   2016年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で「保育園落ちた日本死ね」がトップテン入りしたことについて、審査員の1人だった歌人の俵万智さん(53)がツイッターで選考についての「思い」を明かした。

   俵さんは12月10日、授賞式後初めてツイッターを更新。そこで「死ね」はいい言葉ではないと指摘しつつ、「世の中を動かした。そこには言葉の力がありました」とつづった。

  • 流行語大賞審査員を務めた俵万智さん(2016年12月1日撮影)
    流行語大賞審査員を務めた俵万智さん(2016年12月1日撮影)
  • 流行語大賞審査員を務めた俵万智さん(2016年12月1日撮影)

「日本という国も日本語も、心から愛しています」

   「保育園~」は、匿名ブロガーが強い表現を用いて待機児童問題の解決を訴えたブログ記事のタイトル。流行語大賞への選出には賛否があり、授賞式翌日(12月2日)にはタレント・つるの剛士さん(41)が「とても悲しい気持ちになりました」と違和感を表明し、注目を集めていた。選考委員のツイッターアカウントにも批判が相次いでいた。

   そうした中、俵さんが初めてこの話題に言及した。10日、ツイッターで「ちょっと見ないうちに、何か書かないと次に進めない雰囲気になっていました。だから一回だけ、その件について、私の思いを書きますね。お騒がせ&ご心配おかけしました」と前置きし、下記のように綴った。

「『死ね』が、いい言葉だなんて私も思わない。でも、その毒が、ハチの一刺しのように効いて、待機児童問題の深刻さを投げかけた。世の中を動かした。そこには言葉の力がありました。お母さんが、こんな言葉を遣わなくていい社会になってほしいし、日本という国も日本語も、心から愛しています」

   フォロワーらからは「おっしゃる通りと思います」「言葉の力は私も感じました。単に汚い言葉、という批判だけでは終われない、胸に迫るものがありました」といった賛同のコメントが上がり、作家の盛田隆二さん(61)も

「『子どもが保育園落ちて会社を辞めなければならなくなった。こんな理不尽がまかり通る日本なんて大嫌い!』という母親の心の叫びをわずか4文字に凝縮した『日本死ね』のお陰で、僕らは待機児童問題の深刻さを共有できました。後段も仰る通りと存じます」

とツイッターで同意を示した。

「だからこそ広めないで」「絶対に言ってはいけない言葉がある」

   しかし、俵さんのアカウントに寄せられているコメントの多くは反論や疑問だ。

「だからこそ、そんな毒のある言葉を、安易に広めないでほしかった」
「汚い言葉でもインパクトがあれば良い、ということですね。 流行語大賞とは何とつまらないのでしょうか」
「針の一刺しのためだろうが何だろうが、絶対に言ってはいけない言葉があるのですよ」

とのコメントがいくつも寄せられ、結果的に再び物議を醸している。

   なお、同じく選考委員の1人だった漫画家のやくみつるさんは「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)の電話取材に応じ、「流行語選ぶにあたって、過激だとか穏当だとかって、言葉を選ぶ時に何の尺度にもならない。むしろこういう言葉っていうのは流行語大賞でないと拾い得ない」(5日放送)と主張していた。

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