体を動かすことは健康によいが、さまざまな競技の中で、最も死亡率を下げるスポーツはなんだろうか。
ランニング、水泳、サッカーなどを押しのけ、テニスやバドミントンなどのラケットを使うスポーツが最も健康的であることが、約8万人の大規模調査から明らかになった。
1位テニス、2位スイミング、3位は...
この研究をまとめたのは、豪州シドニー大学のエマニュエル・スタマタキス教授らのチームだ。英スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」(電子版)の2016年11月28日号に発表した。
シドニー大学の11月29日付プレスリリースによると、この研究は英オックスフォード大学、エジンバラ大学などと共同で行なわれた。1994~2008年に英国で行なわれた11件の全国的な健康調査をもとに、6つのスポーツ分野と死亡リスクとの関係を調べた。6つのスポーツ分野とは次のとおりだ。
(1)テニス、スカッシュ、バドミントンなどのラケットスポーツ。
(2)ランニング、ジョギングなどの走るスポーツ。
(3)サイクリング(自転車)。
(4)スイミング(水泳)。
(5)エアロビクス。
(6)サッカー、ラグビーなどのフットボール。
調査は、30歳以上の8万306人の男女(調査開始時の平均年齢52歳)を対象に、普段から行っているスポーツと死亡リスクとの関連を分析した。参加者には、過去4週間以内にどのスポーツでどれだけの身体活動をしたか、息を弾ませ汗をかくほど十分な運動をしたかどうかなど尋ねた。参加者は平均で9年間追跡調査され、期間中に8790人がさまざまな病気や事故などで死亡、1909人が心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管疾患で死亡した。
その結果、運動をしない人に比べ、全死亡リスクが低かったのは次の順番だった。
(1)テニスなどのラケットスポーツ(全死亡リスクが47%減)。
(2)スイミング(28%減)。
(3)エアロビクス(27%減)。
(4)サイクリング(15%減)。
また、運動をしない人に比べ、心臓血管疾患の死亡リスクが低かったのは次の順番だった。
(1)テニスなどのラケットスポーツ(56%減)。
(2)スイミング(41%減)。
(3)エアロビクス(36%減)。