わずか2300円で新薬を開発した高校生
彼らが開発にかけた費用は合計でわずか20ドル(約2280円)だった。高校生グループの1人ジェームズ・ウッド君は、BBCの取材に対し、「命を救う薬なのに手に入らない人が多すぎるなんて、まったく不当です。研究の苦労はたいしたことはありませんでした」と語った。また、指導教師のシドニー大学の化学者アリス・ウィリアムソン博士もこう語った。
「材料は、学校の実験室で安く手に入るものばかりです。米国の薬価は馬鹿げています。あれだけの値段をつけるなど、まったく言い訳がたちません」
高校生たちの快挙が報道されると、鼻を明かされた形のシュクレリ氏は、ツイッター上で「おめでとう!」と祝福しつつ、次のような皮肉を連発した。
「薬を作るぐらいは誰だってできる。イージー(簡単)なことさ。だが、それだけでは、イノベーションにならないんだよ」
「人件費や設備費用はいくらかかったの? 大学の化学者をタダで働かせることができるなんて知らなかったぜ」
「これから薬を作る時は高校生を使うべきだな」
「憎まれっ子世にはばかる」が米国ではいつまで続くのか。