盧氏の弾劾可決「間違ってる」7割
04年3月当時の世論調査によると、盧氏の弾劾案可決について「正しかった」とする回答は21%にとどまり、「間違っている」が76%にのぼった。憲法裁に対しても「弾劾反対の決定を下すべき」とする回答が75%に達していた(中央日報調査より)。
当時の国民の目には、盧氏に対する弾劾案発議は、野党ハンナラ党と新千年民主党が総選挙直前の「党利党略」のために行ったものと映っていたのだ。
そのため、世論は弾劾に反発した与党ウリ党を支持する流れとなり、翌4月の総選挙では、ウリ党が議席を3倍以上に増やして第1党となった。これが事実上の「大統領信任」とみなされ、1か月後、憲法裁は弾劾を棄却した。この時、世論の動向は憲法裁の判断でも重要なポイントの1つになっていた。
「世論」という点から朴氏の現在を考えてみると、挽回は極めて難しそうだ。政治スキャンダルが取り沙汰されて以降、首都ソウルでは朴氏の退陣を求める大規模デモが毎週のように行われてきた。韓国ギャラップが16年12月9日に発表した世論調査結果によると、「弾劾賛成」は81%となり、反対の14%を大きく上回った。支持率は前週より1ポイント増の5%だった。
今回の弾劾可決について、菅義偉官房長官は9日の会見で、「本件は韓国の内政に関わることなので、政府としてコメントは差し控えたい」とした上で、「日本にとって韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国。様々な分野における日韓協力というものをしっかり進めていくということには変わりない」と述べた。