産経はボロクソに批判 農協改革、新聞社説の評判

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安倍首相のリーダーシップ

   朝日(11月29日)は「全農も自主改革案を示し、取り組みを始めているものの、これまでの経緯を見ればスピードに欠けるのは明らかだろう」と疑念を示し、議論の大詰めで与党に強力に働きかけたことに「与党への影響力に安住するのではなく」と釘も差しはするが、最後は「山積する日本農業の課題に自ら向き合うことが必要だ」と、自主改革への期待で締めくくった。

   3紙に共通するのは政府による強制への疑問。「民間組織である全農に、政府が法的拘束力のない改革案を強制することはできない」(読売)、「改革方針に法的な強制力はない」(日経)、「農協は民間団体であり、業務の細部まで政府が左右すれば、自己責任に基づく経営が失われかねない」(朝日)というわけだ。もちろん、今回の改革が「どれも全農が進んで打ち出すべき方策といえる」(日経)というのが前提であり、また農協側が自主性を主張する以上、「組織運営に組合員の声が十分に反映されているか、他の企業・団体と競争したうえで組合員に選ばれて利用されているか、改めて厳しく問われることになる」(朝日)のは、言うまでもないところだろう。

   これら3紙に対し、逆に強く批判的な論を展開するのが、安倍政権支持の産経(11月26日)で、「このままでは、岩盤規制に踏み込めなかった印象は免れまい」と断じ、JA全農について「農家より組織防衛が優先される傾向が強い」「農協の存在自体が農業の体質強化を妨げているともみなされはじめている」など、ボロクソだ。産経に次いで、毎日(同日)も「非効率な流通形態を温存してきた全農が大胆な改革に踏み込むとは考えにくい。......達成期限を明示しなければ、改革は進まないのではないか」と批判している。JA全農の自主性にはとても任せられないということだろう。

   両紙はリーダーシップを発揮していない安倍首相に矛先を向け、「首相は『全農のあり方を予断なく見直す』との決意を表明していた。今一度、ドリルで穴をあける覚悟を示してもらいたい」(産経)、「首相は農業改革を成長戦略の柱としてきたが、強い指導力を発揮した形跡はない。......首相は、農業改革を成長戦略の要となる『岩盤規制』改革の本丸に位置づけ、全農改革を『試金石』と強調してきた。看板倒れに終わらせないため、改革をしっかりと仕上げていくべきだ」(毎日)などと、本気の取り組みを求めている。

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