2016年夏の東京都知事選で自民党の方針に反して小池百合子知事を支援した区議7人、いわゆる「7人の侍」の除名処分が決まったことで、自民党と小池氏側の溝がさらに深まることになりそうだ。
日本維新の会などの「外野」からは、小池知事は離党すべきだという声や、「あとは新党へまっしぐら」といった声が相次いでいる。
萩生田氏、7人は「配慮を聞く耳を持たずに...」
7人をめぐっては、自民党東京都連が9月16日に、10月30日までに離党しなければ除名とする「離党勧告処分」を下していたが、処分の先送りが続いていた。都連の下村博文会長は11月、処分を見直す前提として「身上書」の提出を求めていたが、期限の12月5日までに提出がなかったため、12月6日の都連幹部会で除名を決めた。
都連で総務会長を務めている萩生田光一内閣官房副長官は12月7日午前の会見で、
「東京都連において、それぞれの区議と個別事情を勘案して身上書の提出を求めるなど、この間、丁寧に手続きを進めてきたにもかかわらず、7区議会議員側がそうした配慮を聞く耳を持たずに、このような結論に至ったという報告を受けているところ」
と突き放した。
都議会代表質問で、自民党と再び対決モード
12月7日に都議会で行われた代表質問では、自民党が知事への質問内容を通告せず、激しいヤジを浴びせた。「知事の全てを支持はしてないので庇うわけではない」という塩村文夏(あやか)都議も、フェイスブックで
「正直、コレはイジメに感じました。質問要旨を知らせないのであれば、普通、数十問も書き取れる訳ない。一問一答じゃないんだから...」
と、自民党の対応に違和感を隠さなかった。
「7人の侍」の除名に加えて、都議会と小池氏の対立が再び先鋭化したことで、小池氏と自民党の「手打ち」の可能性が限りなく小さくなったと言えそうだ。そこで改めて浮上するのが「新党」論だ。
日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長は12月7日午後、
「小池さんのシナリオ通りだろう。こうなれば大将である小池さんも自民党を離党する大義ができた。というよりも離党しなければ仲間だけが自民党を追い出され、この原因の張本人が自民党に留まるというおかしな話になる。あとは新党へまっしぐら」
とツイートし、今回の処分が小池氏の離党につながるとの見方を示した。
小池氏は11月29日夜、都議会民進党のパーティーに来賓として出席している。維新の会代表の松井一郎大阪府知事は、この点を念頭に12月6日深夜
「一番上にいる小池さんは、自民党籍のまま、民進党大会に出席しても全く問題なしを侍たちは容認してるのでしょうかね」
とツイート。
翌12月7日には、記者団に対して「7人の侍」について「置いてけぼり」で「本当にかわいそう」と発言。小池氏は自民党を離党すべきだとの考えを示した。
小池氏は12月9日の14時から都知事としての定例会見で、離党や新党問題について何らかの考えを示す可能性もある。