シンガーソングライター、長渕剛さんの名曲「乾杯」といえば結婚式などお祝いごとの定番ソングとして知られ、聞くと幸せな気持ちになったりするが、「腹を抱えて笑ったwww」などとネット上で大騒ぎとなる事態が起きた。
テレビの歌番組で長渕さんが披露したのは、今の日本や音楽界、メディアを批判する歌詞に変えた「乾杯」だった。しかしその歌詞に意味不明なものがあり「中学生の作文か?」などといった苦言も出たが、視聴者は長渕さんのパフォーマンスを堪能したようだ。
「若者の貧困、地域の過疎化どうする?」「騙されねぇぞマスコミ!」
長渕さんが登場したのは2016年12月7日放送のフジテレビ系「FNS歌謡祭2016冬・第1夜」のトリだ。長渕さんがテレビに出演して歌う際には、なにかと物議を醸す行動をするため、登場前からネット上では「放送事故」を期待する声であふれていた。
この日長渕さんが歌うのは「乾杯」のニューバージョン。震災や災害によって日本の状況が変わっていく中で、楽曲が持つ意味も変わる。この時代だから長渕さんが届けたい「乾杯」がある、といったナレーションの後に歌い出した。すると、長渕さんの叫び声とともに、誰も知らない「乾杯」が始まった。
「俺たちの東北、仙台、俺たちの九州、熊本、そして、福島も頑張ってんだ~オリンピックもいいけどよ」
「若者の貧困、地域の過疎化どうする?騙されねぇぞマスコミ!騙されねぇぞヒットチャート!、騙されねぇぞワイドショー!」
「ウ・タ・ヨ・ノ・コ・レ 」
そうしたことを唸り声と、「ハッ!」という掛け声を交えて歌いギターを掻き鳴らした。初めは何が起こったのか分からない視聴者もいて、「これが乾杯?」などといった疑問も出た。
歌詞の字幕が出たことには「サプライズ感が消えた」
しかし最初こそあっけにとられていたが、やがて腹を抱えて笑う人が続出していった。掲示板には、
「今年一番ワロタw 笑い過ぎて涙が止まらんかった。お笑い芸人なんか長渕の足元にも及ばんわw」
「60歳にして、最近新聞読み始めた中学生が書いたような歌詞で、 大暴れする長渕さんマジリスペクトです」
「今の芸能界に足りないのが こういうムチャクチャやるエネルギー。本来なら若者がやるべきなんだけどね」
などといった書き込みが出て、そうとう楽しんだようだ。一方で、この番組は生放送という事だったが、歌に合わせ歌詞の字幕が付いた。これに対しては、
「ゲリラ的にやったのかと思ったら普通に字幕でてるやん。事前打ち合わせありだろ」
「字幕が出てるってことはリハでもこれやってんだしダサいよね。やるならゲリラ的にやんないと」
「字幕がある時点で予定通りなのわかって冷めた」
などと、字幕は隠してサプライズ感を出してほしかったという不満も出ていた。