朴大統領、「空白の7時間」に美容師呼ぶ 「会見でわざとボサボサ」報道で弾劾加速

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   2014年に韓国で起きたセウォル号沈没事故当日の朴槿恵大統領の行動について、新たな報道がなされている。いわゆる「空白の7時間」に美容師を呼び、約90分にわたってヘアスタイルをセットしていたというのだ。

   報道が出た2016年12月6日には、与党の示している「17年4月末退陣案」を受け入れる考えを示した朴氏。だが、一大スキャンダルに端を発した世論の反発はヘアセット報道で勢いを増している。

  • 朴槿恵大統領
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「90分のヘアセット」報道に、大統領府「約20分」

   ハンギョレ新聞は6日、「朴大統領は乗客救助対策を講じるかわりに、江南の有名な美容師を大統領府に呼び、『アップスタイル』にするために90分以上を費やしていたことが確認された」と報じた。

   セウォル号は14年4月16日10時ごろに水没し、朴氏は11時20分すぎには「315人が行方不明」との報告を受けていた。にもかかわらず、朴氏は午後の約1時間半を費やし、髪をいつもの「アップスタイル」にセットさせたというのだ。

   一方、韓国放送局SBSは同日、「中央災難安全対策本部を訪れる前、意図的にヘアスタイルをもじゃもじゃにセットした、という証言が出た」と伝えた。直接ヘアセットを担当した美容師が「当時は緊急事態だったので、わざと頭をボサボサにした」と話したのだという。朴氏が安全対策本部に姿を現したのは17時を過ぎてからだった。

   これらの報道を受け、大統領府は同日、事実関係を説明する資料を公表。当日に美容師が出入りした事を認めつつ、ヘアセットは15時20分以降に行われ、かかった時間も「約20分」だったと釈明した。

9日に弾劾議案の採決

   だが、たとえ90分であろうと20分であろうと、高校生ら300人以上の乗客が命を落としつつある事態だと知りながら、髪をセットしていた事実に変わりはない。今回の件で、世論の反発は一層拡大しているようだ。

   12月9日には朴氏の弾劾を求める議案の採決が控えている。

   可決の鍵を握る与党セヌリ党の非主流派は「セウォル号沈没事故時の朴氏の対応」が弾劾理由の1つになっていることに難色を示したが、野党は修正せずに原案を維持したという。ただ、弾劾案を可決するには非主流派の賛成票が必要となるため、投票行動への影響に注目が集まる。

   朴氏は6日、与党幹部との会談で「弾劾案が可決された場合は、憲法裁判所の審査を見ながら、国と国民のために淡々と進む覚悟はできている」という趣旨の発言をしている。

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