【男と女の相談室】ギャンブル依存症が怖すぎる 脳と人格が変わり一生の闘いに

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脳が「大根」から「沢庵」に変わり二度と戻らない

   ギャンブル依存症の恐ろしさについては、2014年11月17日放送のNHK「クローズアップ現代 『ギャンブル依存症』明らかになる病の実態」で詳しく取り上げた。番組では冒頭、福岡県の精神科病院で入院治療を受けたAさんのケースを紹介した。Aさんがパチンコを始めたのは20歳の学生の時。就職後もやめられず、同僚から借金を繰り返し、両親が返済の肩代わりをした。それが1000万円を超し、Aさんは家の家財道具を勝手に質屋に持ち込んだ。

Aさんの父親「ゴルフクラブがなくなる。パソコンが消える。下の息子が『テレビもなくなるよ』と言うから、『まさか』と思ったら、本当になくなりました」
Aさん「自分でも異常な行動をとっていることが、わからなくなりました。迷惑をかけないよう家出しましたが、1週間後にカネがなくなり、気が付いたら家の裏口に立っていました」

   Aさんは現在退院し、自助グループの仲間ともに回復を目指しながら、再び働き始め、少しずつ親に借金を返している。

   ギャンブル依存症になると、脳が変わる。番組では、京都大学が正常な人の脳とギャンブル依存症患者の脳を調べた画像が紹介された。正常な人の脳は周囲の刺激に対し、赤く活発に活動している様子が示される。ところが、依存症の患者の脳はまったく反応していない。ギャンブルにだけ過剰に反応するようになり、脳のバランスが崩れてしまったのだ。精神科医の森山成彬さんがこう解説した。

森山医師「ギャンブル依存症は、なまやさしい病気ではありません。正常な人の脳が大根だとすれば、依存症患者の脳は漬物の沢庵のように変わるのです。『沢庵になった脳みそは、二度と大根に戻らない』と患者自身が言っています。それぐらい大変な病気で、一生の闘い、治療と思った方がいい」

   MCの国谷裕子キャスターが、ギャンブル依存症に取り組んでいる北海道精神保健福祉センターの田辺等所長に聞いた。

国谷キャスター「どんな人がギャンブル依存症に陥るのでしょうか」
田辺所長「8割はごく普通のサラリーマン、公務員、主婦、学生、年金生活者です。残りの2割はうつ症状の人です。たとえば、妻がパチンコであちこちに借金を作り、立ち直ると約束してもまだ陰でコソコソやっている。そこで、夫が相談に来る。私がギャンブル依存症のことを説明し、『病気だから受け入れるしかない』と話しても、夫は『先生の言うことは信じられない!』と認めない。そのくらい普通の人が多いです」
国谷キャスター「脳が変わるといいますが、具体的にはどう変わるのですか」
田辺所長「ギャンブルで勝った体験が、強烈に脳に刻印されてしまいます。そのため、繰り返し勝った時の刺激を求めていく。結果として、ほかの娯楽やゲームでの快感を受け付けなくなっていきます。ギャンブルに特異的に反応するよう脳が機能変化を起こしてしまうのです」
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