発注記事と一般ユーザーの投稿記事が見分けられない状態に
その後の質疑応答では、記事作成のプロセス、各メディアの運営体制をめぐる質問が飛び交った。
同社はこれまでの発表で、12月1日までに非公開化された9媒体に関し、不正確な情報発信や、外部ライター向けの記事作成マニュアルに「他サイトからの転用を推奨していると捉えられかねない点があった」と認めている。
7日の会見ではこれに加え、9媒体の記事の「6割から9割」(WELQは「9割程度」)がクラウドワーキングサービスを通じて外部ライターに発注され、発注記事と一般ユーザーの投稿記事が見分けられない状態になっていたことが明かされた。
さらに「マニュアル類は見たことがなく、11月29日の報道記事で初めて存在を知った」(守安社長)、「WELQの情報について認識していなかった」(南場会長)など経営幹部が各メディアの運営状況を把握していなかったことも浮き彫りとなった。
当日になって急きょ会見への出席が決まった、11年に夫の病気を理由に社長から退いた南場会長は、夫の介護経験からヘルスケア事業を立ち上げ、これが14年に子会社「DeNAライフサイエンス」の設立という形で結実。同社は同年、「WELQ」の前身となった医療情報サイト「Medエッジ」をオープンさせた。
しかし、Medエッジは16年2月、「筋トレやダイエットといったライトなヘルスケア」(守安社長)として15年秋にオープンしていたWELQに統合された。医療情報サイトの不祥事から始まった今回の騒動。南場会長は、自身が立ち上げにかかわったMedエッジの「失敗」から語り始める。