フライの捕れないチーム
今季の阪神は、何度か「草野球並み」と厳しくたたかれた。とりわけお粗末な守備は目を覆うばかりだった。
NHKの番組で監督自らが語っている。
「フライの捕れないチームはうちだけじゃないかな。よくポロリとやったからね。外野にフライが上がったらハラハラしたもの。安心だったのはライト(福留孝介)に飛んだときだけ」
まだある。
「野手が衝突するんだよ」
打球はグラウンドに落ちる、というわけである。こんなシーンに打つ手がなかったという。
「若手の起用」を目指して戦ったのだが、やはり経験不足はいかんともしがたく、勝敗の足を引っ張った。
阪神はプライドの高いチームである。あの名将の野村克也監督でさえ意識改革は難しかった。最下位に低迷する結果でしかなかった。金本監督もさい配を振るって分かったことだろう。
外国人選手を積極的に取り、さらにFAの糸井嘉男を獲得した。来年の成績によってはトラファンがキバをむく。金本監督の明るい笑顔がどう生きていくか。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)