研究進む「腸内環境と難病の関係」 今度はパーキンソン病の解明に道

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「やったぞ」と叫びたくなるような成果

   英国の公共放送BBC(電子版)2016年12月2日付記事で、サンプソン博士は「これは『やったぞ』と叫びたくなるような成果だ。実験に使ったマウスは遺伝的に同一で、腸内細菌がいるかいないかだけが(発症するかどうかの)違いだ」と話している。また、グループのサーキス・マズマニアン博士は「腸内細菌とパーキンソン病の関係はわれわれが最初に見つけたが、これまで脳に原因があると考えられてきた病気が実は脳だけでなく、腸も原因だった可能性がある」と指摘している。今後の研究で、パーキンソン病と腸内細菌の関係がはっきりすれば、新たな画期的治療法が見つかる可能性もあり、患者や家族にとって大きな朗報となる。

   腸内細菌の研究はここ数年、世界的に急速に進んでいる。一部の消化器系の難病と特定の腸内細菌の関係がはっきりして、すでに治療に応用され始めたほか、アトピー性皮膚炎や自閉症など、腸に直接関係がないと考えられてきた病気との関係も精力的に研究が進められている。

   腸内細菌は腸内フローラとも呼ばれ、大腸菌やビフィズス菌などさまざまな働きのある数百種類、数百兆個が大腸内に住み着き、体重60キロの人では1キロから1.5キロの重さになっている。人や動物の身体で、これまで知られていなかったさまざまな役割を果たしていることが次第に明らかになってきている。

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