嫌なことはひと晩寝ても忘れられないってホント?

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ヤケ酒で忘れようとするのは最悪の結果に

   それならば、嫌なことは酒を飲んでパーっと忘れようと思う人が多いのではないだろうか。それ、かえって危険だ。アルコール(エタノール)が悪い記憶を余計に強化するという研究を、東京大学の松本則夫教授がラットの実験で明らかにし、2008年2月20日付の神経学専門誌「Neuropsychopharmacology」(電子版)に発表した。

   東京大学の発表資料によると、松本教授らは、ラットを恐怖状態にするために軽い電気ショックを与えた。ラットは恐怖で動けなくなり、かごに入れられると隅っこに行き体を丸めた。その直後に、半分のラットに生理食塩水を、残りのラットにエタノールを注射した。すると、食塩水を注射されたグループは、数日後には恐怖から立ち直ったが、エタノールのグループは、平均で2週間も恐怖で動けなかった。エタノールが怖い記憶を刷り込んだのだ。松本教授は発表資料の中でこう語っている。

「辛いことがあったら、酒を飲まずに嫌な記憶の上に楽しい記憶を上書きするのが一番です」
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