著作権管理会社「許諾しておりません」
運営側はあくまで「中国国内での使用は著作権者から公認を得ている」という主張のようだが、その点は事実なのだろうか。
新海監督作品の著作権を管理するアニメ制作会社「コミックス・ウェーブ・フィルム」の広報担当者は5日、J-CASTニュースの取材に対し、「弊社としては当該アプリに関わったことはなく、許諾もしておりません」と説明。突然の騒動に戸惑っているようだった。
担当者によると「君の名は。」については東宝が著作権管理を行っているため、中国国内で使用許可が出ていたのかは現段階では分からないという。東宝もこの点に関しては「現在、確認中です」(広報・IR室)とした。
一方、「秒速5センチメートル」については「アプリのダウンロードページにある紹介画像の1つを見てみたところ、雲の部分が第3話冒頭と全く同じ形でした」(前出の担当者)と指摘した。
謝罪コメントにあった「新海誠様へのご連絡もさせていただきました」という点については「コメントが公開されたのと同じくらいのタイミングで、弊社宛てにほぼ同じ内容のメールがきました。会社名等も記されていなかったのですが、おそらくこのことなのだろうと思います」とのこと。
今後の対応について聞いてみると、現状では事実関係が分からない部分が多く、運営元が謝罪していることもあり「事実関係がはっきりするまで、状況を見守りたいと思っています」とした。
アプリは5日19時時点で利用できる状態にある。また、「君の名は。」の映像や音楽を使ったPR動画は公式ツイッター等に掲載されたままだ。
Everfilterをめぐっては、配信開始当初に電話番号などの情報を要求権限に盛り込んでいたことからセキュリティー上の懸念も出ていた。これについては4日夕、ツイッターで「開発側のSDK(編注:ソフトウェア開発キット)の誤用」があったとして謝罪し、すでに修正している。