リバウンドを繰り返すと脂肪だけが蓄積されていく
今回の報告では、なぜ体重を上下させるヨーヨー型が深刻な心臓障害を引き起こすのか、因果関係を説明していない。ラッソラ医師は「HealthDay News」の取材に対し、こう語っている。
「今のところ、安定した体重を維持することが女性の健康にとって最良であるとしか言えません」
一方、この報告を聞いたワシントン大学の栄養学の専門家コニー・ディックマン氏は、「HealthDay News」の取材にこう語っている。
「この研究の最大の価値は、体重を減らす、増やす、失う、獲得する、といった体重循環が健康に非常に悪いという当たり前の指摘だ。健康的な体重を維持したければ、クラッシュダイエット(急激な体重減少)などの迅速な変化を求めず、ライフスタイル全体を見直して少しずつ変えていくことだ」
それにしても、リバウンドの繰り返しがなぜ、体に良くないのか。日本の専門医の指摘はこうだ。2016年10月17日に放送された「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)で、過激な運動で心臓に異常な数値が出たお笑いコンビ「ノンスタイル」の井上裕介に、上山博康医師がこうアドバイスした。
「ダイエットでリバウンドを繰り返すと、筋肉が減って脂肪だけが蓄積されていくのです。筋肉と脂肪が置き換わり、脂肪が燃焼されにくい体質になってしまいます。過激な運動や食事制限はやめて、長続きするダイエットで、リバウンドしないようにしないといけません」