2013年まで続いたコードの重複
同じISBNコードに「新訳版」と「旧訳版」が混在している岩波文庫のタイトルは、『ドン・キホーテ』だけではなく、カフカの『変身』やシェイクスピアの『リア王』など様々。実際、過去にも「新訳版をネットで注文したら旧訳版が届いた」といったトラブル報告は、ブログなどにも複数出ている。
ただ、岩波文庫が改版時にISBNコードを引き継いでいたのは2013年頃まで。それ以降に発売された新刊では「コード重複」はないため、今回のような購入トラブルが起きるのは古書の取引が中心だ。実際、ツイッターには、
「岩波は再販してないから古い版がなくなったから訳を変えた新しい版作ってるだけだと思う」
「出版社は古書店の都合までは考えてられないでしょう。新刊専門なので」
といった投稿も出ている。
なお、ISBNコードを発行する「図書コード管理センター」の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、
「ISBNコードの表示は出版業界の自主的な取り組みです。本の内容が異なる場合は別のコード付けるようにルールを設けてはいますが、強制力はありません。どのように運用するかは、個々の出版社が決めることですから」
と話している。