東京都の小池百合子知事が2016年12月2日の会見で、記者の質問を「ちょっとそれは失礼なのではないですか」とさえぎり、いら立ちをあらわにする場面があった。
東京五輪・パラリンピックの会場見直しをめぐっては、ボート・カヌーと水泳は大筋で現行案で決着。残るバレーボールの会場は小池知事が横浜アリーナ案を模索しているが、横浜市は11月25日に難色を示す文書を都に提出している。
「ネズミどころか、大きな黒い頭のネズミがいっぱい」
こういった経緯を念頭に経済誌の記者が
「結局、(横浜アリーナではなく)有明(アリーナ)で行うということになれば、率直に申し上げて、『大山鳴動すれどもネズミ1匹』といいますか、何だったのか...」
と指摘したのに対して小池氏が強く反応した。この問題が小池氏にとって「ある種の挫折」になり得るとの記者の指摘にも、小池氏は
「それは全く当たりませんね」
と反論。会場見直しをきっかけにコストカットが進んだとして、
「ネズミどころか、大きな黒い頭のネズミがいっぱいいるということが、ここで分かったではないですか」
と語気を強めた。
一般に「大山鳴動すれども~」とは、大騒ぎの割に成果が乏しいことを指し、「頭の黒いネズミ」とは、何か物がなくなったときに身近な人がそれを盗んでいることを指していう。