もうすぐ受験シーズン。ツイッターやインスタグラムでは志望校に合格するため、成績を上げるための「勉強垢」が大量に作られ、盛り上がりを見せている。「垢」というのはアカウントを示すネット上のスラングだ。
ここでは勉強の進行状況を報告したり、学校のテストの結果を写真で公開したりしながら、ネット上の勉強仲間とつながっている。この「勉強垢」、盛り上がるきっかけになったのが学習管理SNS「Studyplus」で、今や会員は200万人を突破し、高校生3年生の3人に1人が利用している。特に女子高生に大人気なのだという。
「無事 怒涛の2日連続3教科を 乗り越えました」
「勉強垢」というのは勉強、受験、テストなどに関するアカウントの総称で、開設している人は数百万人ともいわれている。ちなみにインスタグラムで「勉強垢さんと繋がりたい」という一つのハッシュタグだけで28万件以上の投稿がある。
勉強を教えてほしいとか、進路相談というものもあるにはあるのだが、自分の勉強の進行状況を知らせるものが多く、教科書や使っている自筆のノート、使っている文房具の紹介、テストの結果報告では自分の答案用紙の写真をアップし点数を公開している人もいる。インスタグラムには、
「おっはようございます。今日も5時起き。毎日5時起きを9月ぐらいから続けてきたら、最初のころより朝早いの大丈夫になった気がする」
「範囲全く終わってないのに寝落ち。さっき起きた、最悪」
「無事怒涛の2日連続3教科を乗り越えました。今日は世界史数Ⅱ。世界史は日曜にだいぶ勉強してたので昨日はワークもう1回解いてややこしいとこパパってまとめただけ」
などといったコメントが付いている。
ツイッターの「勉強垢」の特徴は、学習管理SNS「Studyplus」へのリンクが張られている事だ。自分がやった勉強や教材、勉強時間などがグラフで表示されるものだが、実は、高校生を中心とした「勉強垢」の大ブームは、このアプリの登場がきっかけだった。
リアルな友達には知られずに勉強仲間をつくる
学習管理SNSのサービスが始まったのは2011年3月で、12年7月に現在の「Studyplus」に名称を変更した。会員は13年4月に10万人を突破し、15年2月には100万人、現在は200万人を超えた。利用者は高校生が約50%、中学生が約10%、大学生・院生が約10%、社会人が約20%、浪人生が約5%、その他5%という構成になっていて、高校3年生の利用率は3人に1人で女生徒の比率が高い。2016年10月11日には第13回日本e-Learning大賞の最優秀賞を受賞した。
J-CASTニュースは16年12月1日、同アプリを運営するスタディプラスの廣瀬高志社長に「勉強垢」と「Studyplus」の関係を取材した。同アプリにはもともと「友達」機能があり勉強仲間を募ることができる。友達になればその友達の勉強記録をタイムラインで受け取ることができるようになるほか、相談や励ましのコメントが送れるようになる。こうしたことをツイッターと連携できる形にしているからではないか、ということだった。
廣瀬社長によれば、高校生には、リアルな友達に対して「自分はたくさん勉強している!」とのアピールはしにくいが、一方で「孤独に勉強するのも嫌だ」「勉強仲間をつくりたい」というアンビバレントとも言える感情があるという。
「そこで、リアルな友達とつながっているtwitterの本アカウント(本垢)とは別に『勉強垢』をつくって勉強仲間とつながったり、Studyplusで匿名のアカウントをつくり同じ志望校の友達をつくって励まし合ったりする。リアルな友達には知られずに、ネット上で勉強仲間をつくり楽しく勉強できる、という状態を実現しているということです」
と廣瀬社長は「勉強垢」について説明している。