韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が2018年2月の任期前の退任を表明したことで、焦点は「次の大統領」に移った。ここでにわかに注目を集めているのが、16年12月で退任する国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長の動向だ。
潘氏は、日本メディアに対して「友人や韓国社会のリーダーたちと話し合いたい」と意味深な発言をしている。また周辺人物は、潘氏が韓国帰国後、元大統領らの墓地を参拝する意向を持っているなどと語っている。こうした一連の動きは、出馬への地ならしと受け止められている。
歴代ファーストレディーを訪問し、元大統領の墓参りも
潘氏は11月28日に日本メディアが行ったインタビューで、
「私人として帰国後、母国のために私に何ができるのか、するべきなのか、友人や韓国社会のリーダーたちと話し合いたい」(朝日新聞)
と、出馬に含みを持たせている。さらに、聯合ニュースなどによると、国連の金垣洙(キム・ウォンス)事務次長が11月19日、ソウルで与党・セヌリ党の鄭鎭碩(チョン・ジンソク)院内代表と会談。その中で金氏は、潘氏の帰国後について
「金大中、金泳三、盧武鉉(ノ・ムヒョン)歴代大統領の夫人を訪問し、過去10年の国連事務総長としての仕事について話をする」
「国立墓地で元大統領の墓地も参拝する」
などと明らかにしたという。こういった動きについて、聯合ニュースは
「左右の陣営を越えた国民統合の歩みを優先することで、過去10年間の国内の空白を埋めようとしているとみられる」
と分析。潘氏は、盧武鉉・元大統領の葬儀に参列しなかったとして批判された経緯もあるだけに、今回の動きは関係修復に向けた動きとして注目されそうだ。聯合ニュースでは、金事務次長の訪韓について、潘氏の大統領選に向け、情勢を把握する目的だと分析している。