ひと口で30回かむための7つの工夫
メタボとの関連が立証されたのは今回の研究が初めてだが、よくかまないで「早食い」することが肥満の原因になることは、以前から指摘されている。日本肥満学会の「肥満症治療ガイドライン」では、「咀嚼(そしゃく)法」が肥満治療における行動療法の重要な1つに挙げられ、食べ物を1回口に入れるたびに30回かむことを推奨している。しかし、「面倒くさい」と思う人が多いだろう。そこで、次のような工夫をウェブサイト上でアドバイスしている。
【かむ回数を増やすための7つの対策】
ゆっくりと食べると、食品の味や香りを楽しめ、食欲をうまくコントロールできるようになる。ひと口食べるごとに30回かむのが目標だが、かむ回数を数えるのは大変だ。下記の工夫をすると、自然にかむ回数を増やすことができる。
(1)ひと口の量を減らす。
多くの人はひと口でかむ回数は量によって変わらないという研究結果がある。ひと口の量を減らせば、かむ回数を増やすことができる。
(2)食事の時間に余裕をもつ。
忙しい毎日、時間に追われると、つい早食いになってしまいがちだ。食事の時間をゆっくりとれば、かむ回数を増やせる
(3)歯ごたえのある食材を選ぶ。
食物繊維の豊富な食品(ゴボウ、レンコン、タケノコなど)、ナッツ類(アーモンド、クルミなど)、コンニャクなどを使った食事を選ぶ。調理で野菜や肉を硬めに仕上げるのも効果的だ。
(4)薄味にする。
薄味にすると、食材本来の味を味わおうとするため、よくかむようになる。
(5)食材は大きく、厚めに切る。
食材を一口大に切ると、飲み込める大きさになるまでかむようになるので、自然にかむ回数が増える。みじん切りや千切りより、ぶつ切りや乱切りなどのように大きめに切ったほうがよい。
(6)まずは1回にかむ回数を5回増やすことから始める。
ひと口のかむ回数をいきなり30回に増やすのは大変だ。まずは5回増やしてみよう。慣れてきたら少しずつ増やしていく。
(7)ガムに頼らない。
ガムをかめば食欲を抑える効果を得られるが、間食をする習慣が抜けにくくなるので、あまりお勧めできない。日常の食事でしっかりとかんで食べることが大切だ。