暖房が圧倒的に多い電気代 東電、異例の節電呼びかけ

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   54年ぶりの降雪に、11月としては初めてとなった積雪で、2016年11月24日の東京は、朝から暖房器具をフル稼働して部屋を暖めていた人は少なくないのではないか――。

   じつは冷房にかかる電気代より、暖房のほうが極めて高くつく。

  • エアコンの電気代、じつは冷房より暖房のほうが高かった・・・(画像はイメージ)
    エアコンの電気代、じつは冷房より暖房のほうが高かった・・・(画像はイメージ)
  • エアコンの電気代、じつは冷房より暖房のほうが高かった・・・(画像はイメージ)

家庭のエネルギー消費量、冷房2%に対し暖房23%

   東京電力は、首都圏などが54年ぶりの降雪で冷え込んだ2016年11月24日に、節電を呼びかけた。管内の電力使用率は、10時台に95%(速報値)に達し、11時から正午にかけての電力供給は残り約3%しか余裕がなくなるほど逼迫した。

   東京都心の積雪による気温の低下で、暖房などの電力使用が急激に増え、「非常に厳しい需給状況になった」ことが原因。東京電力は、「11月としては異例の事態で、供給力の準備が間に合いませんでした」という。

   「節電のお願い」は、冷房などで電力の使用が増える機会が多い夏場のほうが頻繁に呼びかけている印象があるが、「冬場も年末年始には呼びかけていますが、今回(11月)は(多くの需要を)想定していませんでした」と話す。

   突然の節電要請に驚いた人も少なくなかったかもしれないが、じつは冷房よりも暖房のほうがより多くの電気代がかかる。経済産業省 資源エネルギー庁の「エネルギー白書 2015年」によると、1世帯あたりのエネルギー消費量のうち、最も多いのは「動力・照明ほか」で38.1%。次いで「給湯」の27.8%、「暖房」は22.9%を占めていた。「冷房」はわずか2.0%(2014年)にすぎなかった。

   暖房器具というと、エアコンのほか、電気ストーブ(ハロゲンヒーター)、床暖房や電気カーペット、こたつがあるが、冷房にも使うエアコンで比べてみても、「一般的に、暖房時のほうが使う電気量は多いですし、その分電気代もかかるようです」と、東京電力は話す。

   その理由は、「外気温と室内との温度差」にある。資源エネルギー庁は、エアコンの設定温度を夏場が28度、冬場は20度を目安にすることを推奨している。一方、仮に外気温を夏場が30度超、冬場を5度前後とみても、夏場はその差が2、3度だが、冬場は15度程度も開いている。

   日本冷凍空調工業会は、「1度の気温差でも、電気代は変わってきます。夏冬10度以上差があるのですから、それ(外気温との差)だけみれば、暖房のほうが(電気代が)かかります」と話す。

   さらに、「エアコンを使う期間が違います」と指摘。冷房を使う期間は平均3.6か月。暖房は、それより長い5.5か月(いずれもJIS規格の算出基準に基づく)にのぼる。もちろん、住んでいる地域や住環境、使っているエアコンによって電気代には差があるが、一般的には暖房のほうが、電気代がかかると考えていいようだ。

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